Ryobi AlgoTech Capital・鈴木さんはきょうのドル円予想レンジを143.40円~146.35円とし、「株安ドル安が進み、ドル円は早くも相互関税一時停止前の水準に戻している。きょうもドル円は下値を重くする展開になると予想している」と話した。また、注目ポイントには「米中報復関税の波及経路」と挙げ、「主要通貨の対豪ドルパフォーマンスを見てみると、すべての通貨に対し豪ドル全面安となっている。トランプ政権がオーストラリアに課した相互関税10%で最低水準だったため影響は限定的になるはず。しかし豪ドル安が進んでいる状況。理由はオーストラリアの貿易構造に要因があると考えられる。オーストラリアの輸出先トップは中国で輸出割合は36.6%と2位の日本の15.8%と大きく離れており、全体の中でも圧倒的に高いシェアを占めている。そのため、米中間の貿易摩擦がエスカレートする状態が続くと中国からの輸出が停滞し、中国景況感の悪化→オーストラリアから中国への輸出に悪影響→結果的にオーストラリアの景況感が悪化し、豪ドル安となる。トランプ政権発足後の中国株と豪ドルの推移を並べたグラフを見てみると、概ね整合的な動きをしていることが分かる。特に相互関税発表後は中国株と豪ドルが一緒に急落する動きを示しており、中国のセンチメントの悪化が豪ドルに強く影響を及ぼしていることが分かる。直近1ヶ月間のオーストラリアの政策金利の利下げ折込の変化を見てみると、0.25%の利下げを年内2→4回・5回という見方に大きく変わっており、経済に対する主観的な見方が強くなっている。米中間の報復関税の応酬が続く限り豪ドルは下値を模索するかたちとなりやすい」などと話した。