中国・北京で世界初の人型ロボットのハーフマラソンが行われた。中国の民間企業を中心に20チームが参加、優勝したロボットは最高時速12kmで約21kmを2時間40分で完走した。近年、中国のロボット業界は急速に発展し、本格的なブームを迎えている。中国でロボット産業に関わる企業の数は45万社以上と4年間で約3倍になった。中国のシリコンバレーと呼ばれる広東省深圳市。「UBTECH」のオフィスを訪れると、様々な人型ロボットが活動していた。この企業のロボットは現在行われている大阪・関西万博の中国パビリオンでツアーガイド役を務めている。開発した人型ロボットはすでに一部の工場で実際に働き始めているという。今年3月には中国の工場で複数の人型ロボットが協力して同時に様々な作業を行うトレーニングを成功させた。現在、警察と一緒にパトロールをしたり、空港の警備や接客業務にあたるなど様々な場面に投入され始めている。上海にある会社では家庭の中で働く人型ロボットの訓練も行われている。複雑な動作を可能にしているのは人工知能。ロボットは基本的な動作を教えられ、それぞれの家庭にあった動きに自らが調整できるようになることを目指している。中国政府は人型ロボットを重要政策分野に位置づけている。市場規模は2035年までに約6兆2000億円に達するとも。専門家は仮に中国がこの分野で国際標準を主導すれば、効率や管理・監視を重視する中国型のモデルが世界的な規範となる恐れがあるなどと話した。