中国軍が海洋進出を活発化させる中、沖縄とともに防衛の最前線と呼ばれるようになった鹿児島の離島。防衛強化が地域にもたらした光と影を追った。奄美大島で撮影されたオスプレイ。この8日後、米国軍のオスプレイは屋久島沖で墜落事故を起こした。オスプレイは去年11月の墜落事故以降、全世界での飛行を停止し今年3月に再開。集落ではその月6回から7回飛来を確認している。中国軍の海洋進出を背景に防衛の最前線と言われる南西諸島の一角を成す奄美大島で防衛強化が進んでいる。5年前に作られた陸上自衛隊の駐屯地と分屯地は日米訓練の拠点となり、弾薬庫の増設や物資輸送などの港湾施設をつくる検討も始まっている。人口約5万8000人の島に隊員約600人が家族と滞在することになり、飲食店からは経済効果を実感しているという声もある。隊員のこどもたちが通う阿木名小中学校の児童生徒数は現在84人だが、2年後には100人まで増える見込み。木原稔防衛大臣が就任後初めて駐屯地を視察した。しかし、有事のリスクなどについては言及をしなかった。