香川県を拠点に活動する書道家・現代アーティストの郷祥さん。独自に配合して開発した墨と撥水性の高い紙を使い、抽象的な作品を生み出している。3歳で書を始め、師範でもある郷祥さん。高松市に構えたアトリエで作品を制作している。墨を置いた後は消したり、拭き取ったり、削ったりと彫刻的なアプローチで作っている。根幹にあるのは書を現代アートにする試みだと話した。アートは社会的な問題にスポットを当てて鑑賞者に問題を提起することも大事だという。郷祥さんが強い関心を持っている場所が香川・土庄町にある豊島。1980年代、県から許可を受けた業者により、大量の廃棄物が持ち込まれ、不法投棄された。その量は約91万トン。野焼きも行われ、猛毒のダイオキシンが高濃度で検出、住民に健康被害が出た。住民の訴えにより、業者は摘発された。約20年にわたって進められてきた一連の処理事業はおととし、ようやく完了した。しかし、地下水の環境基準は達成されておらず、いまだに土地は住民に返還されていない。訪ねたのは安岐正三さん、産廃問題で先頭に立って戦ってきた。やって来たのは資料館。不法投棄を行った業者が最初に行っていたのは砂や土の販売。島の形が変わるほど取り尽くした。その後、持ち込まれたのが産業廃棄物。
2人が訪ねたのは約50年前、砂が持ち去られた場所。少しずつだが、砂浜が戻ってきていた。安岐正三さんは破壊するのはわずかな時間だが、回復するのはものすごい時間だと話した。郷祥さんは自分の五感だけでなく、電子機器を通して豊島の今の姿を捉えようとした。録音したのは砂浜に押し寄せる波の音。かつてゴミで覆われていた場所に根を張ったオリーブ。葉っぱに電極パッドを貼り、モジュールを使って植物の生体活動を採録した。アトリエに戻った郷祥さんは豊島で感じたものをまずは墨で表現。書とデジタルの融合を目指し、オリーブの生体活動のデータと重ね合わせていく。『「Waveform」~34.4792807.134.0394701~』ではたくましく生きるオリーブの力強い生命力を表現。さらに砂浜で録音した波の音を目に見える形で表現しようと試みる。鉄板に砂をまき、周波数の振動を一定時間流し続けると図形ができるという。浮かび上がったのは2本の直線。タイトルは『「TESHIMA」~2025.8.7~』。郷祥さんは今後も豊島と向き合い、自分ならではの表現で故郷・香川と伝え続けたいという。今回制作した作品は先月、東京で開催した個展に展示された。郷祥さんはこの活動をライフワークにしていきたいと話しており、今月も豊島を訪れる予定。秋祭りに参加して、祭りの声も収録して作品にしていきたいという。
2人が訪ねたのは約50年前、砂が持ち去られた場所。少しずつだが、砂浜が戻ってきていた。安岐正三さんは破壊するのはわずかな時間だが、回復するのはものすごい時間だと話した。郷祥さんは自分の五感だけでなく、電子機器を通して豊島の今の姿を捉えようとした。録音したのは砂浜に押し寄せる波の音。かつてゴミで覆われていた場所に根を張ったオリーブ。葉っぱに電極パッドを貼り、モジュールを使って植物の生体活動を採録した。アトリエに戻った郷祥さんは豊島で感じたものをまずは墨で表現。書とデジタルの融合を目指し、オリーブの生体活動のデータと重ね合わせていく。『「Waveform」~34.4792807.134.0394701~』ではたくましく生きるオリーブの力強い生命力を表現。さらに砂浜で録音した波の音を目に見える形で表現しようと試みる。鉄板に砂をまき、周波数の振動を一定時間流し続けると図形ができるという。浮かび上がったのは2本の直線。タイトルは『「TESHIMA」~2025.8.7~』。郷祥さんは今後も豊島と向き合い、自分ならではの表現で故郷・香川と伝え続けたいという。今回制作した作品は先月、東京で開催した個展に展示された。郷祥さんはこの活動をライフワークにしていきたいと話しており、今月も豊島を訪れる予定。秋祭りに参加して、祭りの声も収録して作品にしていきたいという。