与野党“大物”続々…総力戦の舞台裏

2024年4月21日放送 21:24 - 21:37 テレビ朝日
サンデーステーション (ニュース)

衆議院の3補欠選挙で唯一与野党の一騎打ちとなった島根1区。今日は岸田総理と泉代表が応援に入るなど両陣営の総力戦となっている。自民党が擁立したのは元財務官僚の新人で公明党が推薦する錦織功政候補。対して立憲民主党が擁立したのは亀井亜紀子候補。島根市は竹下王国ともいわれ強固な保守地盤で知られているが、自民党の錦織氏は自民党の裏金問題などの逆風にさらされている。きょう岸田総理は自民党関係者らとの車座対話に参加。お詫びした総理に対し参加者から「今回の補欠選挙、政治と金の問題で我々党員として、まず恥ずかしい気持ちでいっぱい。我々党員の選挙活動に大きな影響を与えている」と述べた。初の総理入りに地元の自民党関係者から「総理が来ても、なんの効果もない。色々やってきたのかもしれないけど、全然伝わってない。正直かなり地元でも評判悪い」という声が上がっている。一方、「島根から変えよう」をキャッチフレーズに裏金問題の「追い風」にのる立憲民主党・亀井亜紀子候補は「これまで、この島根県は自民王国と言われ、誰もが名前も顔も知っている有力な大物の議員を何十年も永田町に送ってきた。いま、島根県はよくなっているのか?」と述べ、該当に立ち自民党批判を強めているが、前回の衆院選で敗北して比例復活もできなかった。立憲民主党本部は自民党を支持する保守票をどう取り込むかがポイントになると見ている。聴衆から「何ができるのか聞きたい」という声に対して亀井氏は「公共交通の鉄道については、鉄道事業法というのが規制緩和で変わってしまった。鉄道のインフラの部分をちゃんと国が責任を持って税金を入れて維持する」と述べた。立憲民主党・小沢一郎衆院議員は、故郷で眠る竹下元総理の墓前にその姿はあった。小沢氏は「竹下先生の墓前で自分なりに気持ちを強くして、最後のご奉公に頑張りたい。最後の仕上げは政権さ、三度目の正直でもう一度政権をとる」と述べた。小沢氏は同じ田中派で先輩だった竹下登元総理を「政治の師」と慕っている。島根入りした小沢氏が向かったのは松江市内にある亀井氏の選挙を支える連合島根の本部。組織の引き締めを図った。小沢氏を笑顔で出迎えたのは亀井氏の父・久興氏。久興氏はかつて自民党で国土庁長官として初入閣し、小沢氏と同じ田中派に所属していた古くからの仲。亀井氏の父・久興氏は相手陣営の保守票を切り崩すため、かつて自身の選挙を支援してくれた知人や企業に対して働きかけを行ってきたという。亀井氏の父・亀井久興氏は「懐かしい人間関係がたくさんあるから、皆さんもちょいちょい帰ってほしいということも言われる。そういう人間関係は最後まで大事にしていきたい」と述べた。一方、自民党・錦織氏がきのう訪れたのは島根原発が立地する松江市鹿島町。街頭演説には中国電力島根原発の関係者も集まっていた。自民党・錦織氏は「これからの我が国のエネルギー自給率の向上、カーボンニュートラルを実現していく国際公約のためにも原子力発電の活用は不可欠」と述べた。関係者によれば、自民党は再稼働をテコに原発従事者の票の取り込みを狙っているという。野党の亀井氏を推薦する連合島根などによれば、電力関連の労組票は約2000票ある。自民党は電力の労組票も期待しているかについて、参議院のドンと言われた青木幹雄氏の長男で、自民党・青木一彦副幹事長は「当然のこと。会社の利益が全然違う。原発を『動かす、動かさないか」』」と述べた。水面下で行われている相手陣営の組織票切り崩し。投票率が低くなれば組織票が当落のカギを握る。島根1区補欠選挙の投開票日は4月28日。


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