- 出演者
- 桑子真帆 小原凡司
台湾有事についてトーク。桑子アナは「アメリカは外交を重視するとしていますが同時に取材から見えてきたのはもう1つの動きでした」などと話した。
アメリカは多国間連携を急速に進めている。参加したのは過去最多の19カ国。去年から日本の自衛隊も参加している。島の奪還をする訓練が行われていた。ジェレッド少将は「演習を拡大しより多くのパートナーを引き入れることが目的です」などと話した。背景にあるのは中国の急速な軍備増強。東風26を多数保有するとみられ脅威が増している。さらに台湾を核心的利益とし統一のためには武力行使も辞さない姿勢を示している。アメリカが打ち出した戦略は統合抑止。中国と対峙するには従来の戦力では十分ではなく同盟国などの連携が不可欠としている。
CSISは今年台湾有事のシミュレーションを公開した。どのケースでも日本を含む各国が大きな代償を払うことになったと結論づけられていた。中でも可能性が高いとされた想定では中国によるミサイル攻撃で有事が始まる。中国は台湾への上陸を試み艦船も出撃させる。アメリカは即時参戦すると想定されている。シミュレーションでは作戦を展開する際日本政府が在日アメリカ軍基地の使用を許可することが前提となっている。在日アメリカ軍基地を使用した作戦が進んだ場合中国が日本への攻撃に踏み切る可能性が高まるという結果がある。対象としてあげられたのが嘉手納などのアメリカ軍基地。その後自衛隊が中国軍と戦闘することも想定されていた。
アメリカ軍は再編を急いでいる。アメリカ海兵隊に新たに創設されたMLR。機動性の高さを重視している。MLRは有事が起きる前に敵に近い位置の離島に上陸し相手が武力行使に踏み切れば攻撃をかいくぐりながらただちにミサイルなどで迎え撃つ。武力行使に踏み切らせないことが狙いである。戦車を伴う大部隊を廃止し相手と直接対峙することを想定した大規模な再編である。MLRは沖縄にも2年後までに配備される方針。
台湾有事についてトーク。在日アメリカ軍基地をアメリカが戦闘作戦のために使用するには日本政府との事前の協議が必要とされている。また自衛隊の活動も法律で厳しい制約が定められている。小原氏は「在日米軍基地が攻撃されれば日本の領土に対する攻撃だと認識して武力攻撃事態と認定される可能性があります」などと話した。
アメリカは今フィリピンで軍事演習の規模を拡大している。カガヤン州はコロナ前は中国人観光客で賑わっていた。カガヤン州知事はこれまで中国との関係を重視してきた。2017年には27万人以上の中国人観光客を呼び込んだ。フィリピン政府は去年まで中国との協力関係を重視してきた。しかし中国は南シナ海で次々人工島を造成しフィリピン船の進路を妨害するなど中国の海洋進出は強まる一方であった。こうした事態をうけマルコス大統領はアメリカとの同盟関係を重視する外交方針へと大きく転換した。今年にはアメリカ軍が使用できる拠点を4箇所増やすことで合意した。中国人観光客で賑わっていたラルロ空港はアメリカ軍とフィリピン軍の合同訓練が行われるようになっていた。アメリカはフィリピンにスマホや魚群探知機などを無償で供与している。引き換えに収集していたのがアンケート。いつ外国の船をみたか・どの国の船だったかなど情報を提示するよう求めている。一方マンバ知事は危機感を強めていた。アメリカ軍の存在感が増すことで今後中国との関係が悪化し有事に巻き込まれるのではないかと不安を感じていた。
台湾有事を防ぐために必要なことについてトーク。小原氏は「私達はあまりにいろんなことを知らなさすぎるんだと思います」などと話した。