THE TIME’ TIMEレポート
年間6600万人以上の観光客が訪れる京都。京都市では今年4月から、タクシーが不足する時間帯に限りライドシェアが解禁され、タクシー会社がドライバーの研修や運行の安全管理を担う。MKタクシーでは現在登録している18人中12人が学生。大学4年生の宍戸裕太さんはライドシェア解禁後、すぐにドライバーに応募した。4月から就職で自動車販売業に携わるので、運転に慣れたり、土地勘を養いたいという。この日の稼働時間は午後4時~8時まで。車はタクシー会社から借りたもの。まずは配車の依頼が多い河原町方面へ。配車アプリで受付を開始すると、5分も経たないうちに配車の依頼が入った。その後もひっきりなしにお客さんを目的地に送り届けながら、苦手だという英語でコミュニケーションを図っていた。乗客の9割以上が外国人で、チップをもらうこともあるという。時給は1300円で、設定された売上を超えるとインセンティブが入るのだ。この日は9組の客を乗せ、売上は1万8738円。目標をクリアし、この日のバイト代は約8500円に。宍戸さんは「ノルマを達成できたのが嬉しかった。安全第一で、事故もなく帰ってこられたの良かったです」と笑顔を見せた。
住民が主体となってライドシェアを開始した地域も。京都府・舞鶴市の西部に位置する高野地域は過疎化や高齢化が進み、65歳以上が人口の34.5%。住民の足を確保するため始まったのが、住民同士が送迎し合うライドシェア。もちろん、ドライバーも住民が担う。岩見昌則さんは教師を退職後、実家の農業を継ぎながら隙間時間でドライバーをしている。高野地域で2020年から始まったライドシェア。当初ドライバーはボランティアで料金も無料だったが、サービスを継続させていくため、住民たちで話し合って今年4月から有償化に踏み切った。現在は11人のドライバーが登録していて、予約が入ると空いている人が申告制で送迎する。この日は89歳女性から郵便局までの送迎依頼に対応。1人暮らしの高齢者が多いこの地域では、車内の会話も地域のつながりとして重要だという。有償化から3か月、課題も見えてきた。それは、ドライバーが11人しかいないこと、石見さんは「時間が使える人がドライバーとして登録していただけたら、より助け合いが進むんじゃないかな」と語る。