NHKニュース7 (ニュース)
血管外科が専門の金沢医科大学氷見市民病院・小畑貴司医師は富山県や石川能登地方の避難所などで災害関連死の要因の一つ「エコノミークラス症候群」の防止に努めてきた。小畑さんの日記は1月1日の発災直後から始まっている。石川県内の避難所などで検診を始めた4月、“エコノミークラス症候群の疑いで亡くなった人がいる”と初めて耳にした。さらに避難所などを実際に見て、“トイレや寝る場所など生活環境の改善が必要だ”と感じた。エコノミークラス症候群で亡くなる人を増やしてはいけないという一心で仮設住宅などを回った。住民を対象に検診を行うと、エコノミークラス症候群の原因となる血栓がある人が次々と見つかった。9月には能登地方での豪雨被害。生活環境が再び悪化することに加え、二重被災による精神的なストレスも災害関連死につながりかねないと危惧した。地震と豪雨2つの災害を経験した今、小畑さんは今後想定されている大規模な災害への危機感を募らせている。