“神の国” アメリカ もうひとつの顔

2025年4月21日放送 22:05 - 22:44 NHK総合
映像の世紀バタフライエフェクト (映像の世紀バタフライエフェクト)

1620年にプロテスタントの清教徒がイギリスの宗教弾圧から逃れてアメリカにやってきて、理想の宗教社会を築こうとしていた。アメリカ建国後に政府は先住民にキリスト教を広める同化政策を行っていった。その手段になったのが寄宿学校だったという。1920年代になるとキリスト教の信仰心は薄れていく。こうした状況に熱心な信者たちが立ち上がり、アルコールの規制を求めたという。アメリカ南部のこうしたキリスト教の熱心の信者が多い地域をバイブルベルトと呼ぶようになったという。
キリスト教の信仰に再び目が向けられるようになったのは冷戦の時代だ。敵対するソ連がアメリカの予想を超えるスピードで原爆開発を成功させていた。そのころキリスト教の伝道番組「決断の時」が始まったという。そうした中で大統領のドワイト・アイゼンハワーはキリスト教信仰を共産主義と戦うアイデンティティにしようとした。そこで政治と宗教が結びつき福音派が誕生した。その後、ジョン・F・ケネディが大統領になると政教分離を進めることになり、福音派の人たちは社会の潮流から取り残された人たちになっていった。
70年代になると女性の解放運動が全米に広まっていった。そして女性に妊娠中絶を認める判決が出された。また学校ではキリスト教の倫理観では許容できないような性教育が行われるようになり、保守的な福音派の家庭では通学のボイコットが続出した。1976年に福音派信者のジミー・カーターが大統領になり期待を寄せたが、ジミー・カーターは女性の権利を保証する憲法を後押しした。そのため福音派のジェリー・ファルウェルが政治団体を立ち上げて政治的な発言をしていった。
1980年の福音派の集会にロナルド・レーガンが登場し、ジェリー・ファルウェルの宗教票に目をつけた。そしてロナルド・レーガンが大統領になった。共和党と福音派は強い結びつきを持つようになり、アメリカ同時多発テロ事件でジョージ・W・ブッシュはイラク戦争を起こして福音派の支持はさらに強くなった。現在、アメリカの福音派の信者の数は総人口の4分の1になるという。
2025年に福音派の強烈な支持を受けてドナルド・トランプが大統領になった。初日から大統領令に次々に署名していって、就任式後に「我々は宗教を取り戻さなければならない」とかたったと伝えた。


キーワード
共和党民主党ドワイト・デヴィッド・アイゼンハワージョン・フィッツジェラルド・ケネディドナルド・ジョン・トランプ禁酒法アメリカ同時多発テロ事件キリスト教プロテスタントリトルロック・セントラル高校ジョン・スコープスバイブル・ベルト福音派ウェストバージニア州(アメリカ)テネシー州(アメリカ)パウロ6世ビリー・グラハムコーナーストーン教会ポーラ・ホワイトトーマス・ロード・バプテスト教会ジョージ・W・ブッシュジミー・カーターロナルド・レーガンジェリー・ファルウェルビリー・サンデー決断の時ジェームズ・イーストランドジョージ・アンドリュースエルドリッジ・クリーバーブラック・パンサー党モラル・マジョリティThe Old-Time Gospel HourFAITH FOR OUR NATION

TVでた蔵 関連記事…

ワンポイント 世界中から悼む声 (キャッチ!世界のトップニュース 2025/4/22 10:05

今回は… (映像の世紀バタフライエフェクト 2025/4/21 22:00

ロシア30時間停戦 一方的に宣言 (Nスタ 2025/4/20 17:30

プーチン氏“復活祭”一時停戦表明 (JNNニュース 2025/4/20 11:30

「セント・パトリック・デー」シカゴの川が染ま… (Nスタ 2025/3/17 15:49

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.