ワールドビジネスサテライト (ニュース)
世界の株式市場が注目しているのが、AI脅威論という言葉。人間が使うソフトウェアが自律して考えるAIに淘汰されるのではないかと懸念されている。これを受け、富士通やアメリカのマイクロソフトなど世界のソフトウェア関連企業の株価が下がっている。その富士通が今日、AIを活用した新たなサービスを発表した。川崎市にある富士通のオフィス。医療機関に向けて電子カルテの情報を管理するソフトウェアなどを開発している。その中で課題となっていたのが2年に1回のペースで改定される診療報酬の金額や処方薬の名称。これまでは改訂のたびに手作業でソフトウェアの改修をしていたため、エンジニアの負担となっていた。そこで富士通が開発したのは既存のソフトウェアの改修を自動化するAI。例えば、2024年度に改定された湿布薬から貼付剤への名称の変更に伴う改修をAIに指示すると、ソフトウェアのコードの修正に加え正しく作動するかどうかのテストまでをAIが自動で実施する。このAIを導入したことでこれまで4ヶ月かかっていたソフトウェアの改修が数日間に短縮できた。富士通は今日、このサービスの発表会を開いた。法律の改正に伴うソフトウェアの改修が年間20件ほどに上る医療や行政の分野に向けて新たなAIサービスを販売していきたい考えだ。
ただ、富士通のようなソフトウェア関連企業をめぐって今台頭しているのが、AI脅威論。ことの発端となったのは、アメリカのアンソロピックが提供を始めた新たなサービス「Claude」。提供する生成AIに法務や財務に関する業務を自動化する機能を追加した。また、Googleも先週生成AI「ジェミニ3」の刷新を発表。主に研究者向けに開発されたもので数学や科学などの難解な問題にも対応が可能。この状況に、世界の株式市場で既存のソフトウェアを手がける企業のサービスが、AIに淘汰されるとの懸念が広がっている。東京株式市場でもアンソロピックが新たな機能を追加した先月30日を境に富士通やNEC野村総合研究所などのソフトウェア関連企業の株価が大幅に下落した。AI脅威論が叫ばれる中でAI事業に力を入れる富士通の岡田英人本部長は「アンソロピックは素晴らしいツールだと思う。AIの実装が加速するのではないか」とコメントした。
