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日銀の植田総裁は名古屋市で講演し、経済物価の見通しについて“不確実性は高い”として、“海外経済の動向と賃金の上昇が続くかどうかの2つの動きが今後、鍵になる”と指摘した。このうち海外経済については“米国や中国の経済の先行きに注意を払う必要がある”と述べたほか、賃金の動向についても“所定内給与のこれまでの上昇幅は物価の上昇幅に追いついていない”などとして、“賃上げや価格転嫁の動きがさらに広がるかをしっかり見ていく”とした。そのうえで植田総裁は今後の金融政策について“経済物価が見通しどおりなら利上げを検討”する考えを重ねて示す一方で、「毎回の金融政策では経済、物価の現状評価、見通しをアップデートし、政策判断を行っていく方針だ」と述べた。きょうの東京外国為替市場は、日銀の植田総裁の講演での発言を受けて早期に利上げが行われるのではないかという見方が後退し、講演後に円相場は円安方向に動いた。現在は1ドル=155円前後での取り引きとなっている。