「屏風」というキャンバス 変幻自在の美意識

2024年5月11日放送 22:07 - 22:17 テレビ東京
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金屏風の超大作の二条城行幸図屏風。描かれた人物の数は1322人でひとりひとり出で立ちや表情も細やかに描かれ建物や丁度品まで精緻に描写されている。寛永3年の9月に時の後水尾天皇が二条城に行幸した際の行列で特筆すべきは、京のまちなみや見物する群衆を描かずに金粉によって隠している。その華やかさだけを描くという美意識。左隻には二条城の様子が描かれ、到着した天皇は顔を御簾で隠し、居並ぶ大名の中には徳川幕府の徳川秀忠の様子も。右隻には将軍の家光を始め参内する大名たちの行列が。その中には伊達政宗の姿もあるという。また岡田美術館の壁には風神雷神の金屏風が。縦12m横30mの風・刻という作品は琳派の開祖の俵屋宗達の風神雷神屏風をモチーフにした巨大壁画。描いたのは気鋭の日本画家の福井江太郎さん。仕上げるのに5年かかったという。福井さんが目指したものは400年経過した宗達の絵を描いたというが、金箔に汚れを描き、時の経過を表現した。福井さんの代名詞はライブペインティング。観客を前にして即興で描いていくがかつては葛飾北斎ら、腕に覚えのある絵師たちが行っていたパフォーマンスだという。
そのライブペインティングでは8枚のパネルに緊迫をはりつけ、衝立に設置。縦3尺横2間の金のキャンバスに15分で絵を描くという。使用する顔料は青と緑。まずは筆は使用せず手に直接絵の具をつけてそのままキャンバスへ。手で描いていくが指で青の色で表現したのは花菖蒲。福井江太郎の祖父は福井江亭。明治の円山派を代表する川端玉章を支持した画家だった。また父は洋画家で画家一家の4代目として生まれた。しかし本当に好きで絵を描いているのかわからなくなり、その葛藤でバレエや演劇に打ち込んだこともあった。その得意とするモチーフはダチョウ。日本画の枠に問わられないユニークな画法は高く評価され国内外問わず精力的に活動している。


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