ワールドビジネスサテライト (ニュース)
世界の首脳はトランプ外交を見越した対応に追われている。G20の議長国ブラジルの優先課題の一つが気候変動への対応だが、トランプ氏は温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」から離脱する考えのため、この課題で今後につながる成果をあげられるかは不透明な状況。バイデン大統領は会議に先立ち、アマゾンの熱帯雨林を現職の米国大統領として初めて訪問し、環境保護や違法伐採対策への支援を表明した。これもトランプ時代を念頭に気候変動の現状に警鐘を鳴らす狙いがあるとみられる。一方、G20にはAPECとは違いグローバルサウスと呼ばれる新興国や途上国の代表国であるブラジルやインドも参加し貿易を含む多国間の協力の必要性を確認する見通し。中国・習近平国家主席はこうしたグローバルサウスに結束を呼び掛けているが、米国第一主義を掲げるトランプ氏とは正反対の政策で影響力の拡大を図る動きと言えそう。また、日本の石破総理は会議の期間中に英国・スターマー首相と会談し外務経済担当の閣僚による協議の枠組み経済版「2プラス2」の新設を議論する見通し。(中継)ブラジル・リオデジャネイロ。