首都圏ネットワーク (ニュース)
きのう、広島で行われた全国男子駅伝の中継で、白バイに貼られた「電話でお金の話はサギ!」と書かれたステッカーが最近ネットで話題になっている。あとを絶たない特殊詐欺への注意喚起するのが目的だ。各地の警察は詐欺グループの検挙と同時に被害の防止にも力を入れているが、なかなか気付けないお年寄りが多いのが現状。こうした中、埼玉県警は地元の金融機関と協定を結び水際対策のプロを養成する取り組みを始めた。大切なお金を守る最後のとりでを取材した。埼玉県警で特殊詐欺の対策を担当する刑事たちが県内の金融機関を回り窓口で被害を食い止める水際対策の強化を依頼している。実際に間一髪、被害を止めたケースがあった。川越市の77歳の男性は去年11月、自宅に警察官を名乗る人物から電話がかかってきた。詐欺グループの指示に従い男性は銀行を訪れた。突然、多額の現金の引き出しを求めた男性に窓口の従業員は引き止めて責任者を呼んだ。駆けつけたマネージャーの大山麻里絵は男性の通帳を確認して異変に気付いた。これまで生活費などしか下ろしていなかった男性がここ最近、何度も大金を下ろしていた。大山は男性にお金の使いみちを聞いたが話が変遷した。詐欺グループを警察だと信じていた男性は捜査情報は誰にも話してはならないと口止めされ銀行にもうそをついていた。大山は警察に通報、警察官が駆けつけ男性を保護した。警察官と帰宅したところにちょうど詐欺グループから連絡が入ったという。「被害を水際で食い止めるプロを増やしたい」と埼玉県警は去年から金融機関を対象にノウハウを伝えている。実例を参考に詐欺被害を見抜くポイントを研修。大切なのが声のかけ方で「あなたはだまされている」と決めつけると逆にかたくなになってしまう人もいる。詐欺グループに現金が渡らないような提案も行われている。研修では、たとえ顧客の意に沿わなくても資産を守るためには思い切って警察に通報するという強い姿勢も求める。研修を通して、不便に思われても顧客を守るという視点を持ってもらいたいとしている。