小さな旅 小さな旅
福岡県の北部に位置する福津市津屋崎は玄界灘を望む港町、人口約8400人が暮らしている。日曜は朝市で賑わい、カンパチやタコが漁師によって格安で提供されている。福岡県立水産高校ではカブトガニを飼育、授業の一環としてダイビングがある。
「こんなに身近で豊かな海がある、人生を変えてくれた」と話すのは、潜水士を目指す湊悠雅くん。地元出身で生徒を指導する大家浩志郎さんは「高校生に楽しい思いをしてほしい。海は教室よりも教室」と話す。この街には数百年前から伝わるモマ笛があり、子どもたちの肺を鍛える意味合いもあるという。
人形師として伝統を守っているのは原田誠さん、翔平さん親子。仕事で目が疲れたら海を見るように、と代々受け継がれているそうで「海のお陰で人形師が残っている」と息子は話す。夏休みに入り、水産高校の生徒たちはプールで指導を受けていた。溺れたダイバーを救う6時間の特訓に挑む湊悠雅くん、苦手だった水泳はメキメキと上達し、脚がつるほど注力していた。