NNNドキュメント’26 アイヌ ネノアン アイヌ 人が人であるために
北海道札幌市、地下広場では「アイヌの史実を学ぼう!」と題したパネル展が開催し、パネルには差別的な記述が堂々と披露されていた。アイヌ民族は日本列島北部周辺の先住民族で、独自の言葉や文化を有し、狩猟・採集の生活を送っていたが、明治政府が進めた同化政策によってアイヌの暮らしは激変した。北海道旧土人保護法によりアイヌの人々は慣れない農業への転換を促され生活が困窮した。しかしパネル展では「至れり尽くせり 北海道旧土人保護法」と記述され、アイヌにとって屈辱的な法律を賛美していた。その結果、来場者同士で対立する場面もあり、警察が仲裁に入る騒ぎにまで発展していた。その発端となったのは「先住民族って?」と題したパネルで、北海道にはアイヌ以前に日本人共通の先祖である縄文人が1万年以上も住んでいたと記載されていた。アイヌが政府に先住民族だと認められるまでには時間がかかっており、1986年には中曽根康弘首相(当時)が日本は単一民族だと発言していた。2019年にアイヌを先住民族だと始めて正式に明記したアイヌ施策推進法が成立し、罰則がないものの差別が禁止となった。パネル展の主催者に事実と反するのではと指摘すると、主催者側は自分たちは素人であるがその中で判断して実施したなどとした。先住民族について室蘭工業大学の丸山博名誉教授は、国家建設以前からその地で生活してきた民族たちのことであり縄文時代の人々という遥か昔の人々を先住民族の議論に持ち出すこと自体がナンセンスなことなどと指摘した。
札幌市がパネル展開催を認めた理由に表現の自由をあげており、秋元克広市長は法律的に専門家から開催を拒むことは難しいと伺い、開催を認めざるを得なかったなどと説明した。アイヌの山下らはパネル展を止めなかった真意、抗議の署名を札幌市に提出した。山下と一緒に署名を提出していた井上は北海道白老町で暮らしており、学生時代には自分がアイヌだと言えない生活を送ってきており、相手を攻撃するのでなく、自分たちを知ってもらうことを広めていくことが大切だと感じているなどと告げた。
