国際報道 SPOT LIGHT INTERNATIONAL
インドネシアでは2期10年にわたり大統領をつとめたジョコ大統領が退任。新たにプラボウォ氏が大統領に就任するが課題の1つが「経済」。2050年にはGDPで日本を追い抜き世界4位になる予想もあるが、一方で産業構造の高度化など課題も指摘されている。中国などから安価な製品が流入する中、繊維産業は打撃を受け中間層の減少にもつながっていると指摘されている。インドネシア・ジャワ島中部に住むユディさんは妻と娘の3人で暮らしている。繊維工場で妻と働いており、2人合わせた月収は約6万円。インドネシアでは“中間層”にあたる。しかし今年6月に夫婦が働いていた工場が突然閉鎖。今は別の繊維工場で非正規雇用でしのいでいる。1か月の世帯収入は以前の5分の1となり、かつての生活は維持できなくなった。背景にあるのが安価な中国製品の大量流入で、インドネシアはこれに対抗できず多くの工場が閉鎖。失業者数は今年に入ってから5月までに少なくとも1万人にのぼると言われている。専門家は産業構造の高度化などを進めなければ今後の経済成長に影響が出る可能性があると指摘している。