ブレイクスルー (ブレイクスルー)
次世代の産業を生み出す切り札となるダイヤ半導体。大熊ダイヤモンドデバイスの星川さんは既に量産を進めている。ダイヤモンド半導体の製造の工程は、機械に土台をセットしたあと、原料となるメダンガスを放出、マイクロ波を出し結晶化することで高純度のダイヤが作られる。ダイヤモンドは早いと1週間でできる。コストはまだ高いが、量産ができればコストは下がるし、最終的には他の半導体材料の数倍くらいの値段に寄せられればいいと話す。ダイヤモンと半導体は産業技術総合研究所が1980年代に基礎研究を開始。この事業のキーパーソンとなるのが金子純一さん。金子さんは放射線の検出器をつくるのが専門だったが、応用を活かし半導体を製造する商用機をつくった。星川さんは2022年に大熊ダイヤモンドデバイスを起業。ダイヤモンド半導体は製造化は原料の10パーセントほどと言われているが、この会社では製品化率が90パーセントという結果が注目をあび、74億円の資金を調達した。現在福島で建設中の量産工場では放射線センサー数万台の生産能力を見込んでいる。
相場さんは今後の新産業について訊ねた。星川さんは宇宙のような熱を逃がすことが出来ない環境下で高温に強い半導体としてダイヤモンド半導体が使えるのではと話す。星川さんは2030年にダイヤモンド半導体の市場が、宇宙安全保障事業で5000億円、2033年には次世代通信基地局で2兆円規模になると試算している。しかし、市場が広がることで半導体戦争の懸念もある。国際競争を勝ち抜く勝算として、星川さんはあると述べた。奇しくも日本特有の特需である廃炉ということから、この先攻優位性を東日本大震災で得ていると話す。スタート時には強い日本が、量産まで世界から勝ち抜くポイントとして、分業化でどのようなビジネスモデルをつくるかが半導体で勝つために必要なストーリーだと話した。