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日本とアメリカが外交を持ち始めたのはいつからなのか。在ニューヨーク日本領事館によると日本人が初めてホワイトハウスでアメリカ大統領と会ったのは、165年前の1860年。時代は万延元年。200年以上続いた鎖国が終わった頃。徳川幕府の命を受けた約80人の遣米使節団は、当時の大統領と日米修好通商条約の批准書を交換するためアメリカの軍艦でニューヨークやワシントンへ向かった。当時の貴重な写真を紹介。同行した護衛艦「咸臨丸」には勝海舟も乗っていた。当時のアメリカ人は初めて見る日本人に大興奮だったよう。侍をひと目見ようとニューヨークのブロードウェーには、約50万人の市民が詰めかけ、各地でパーティーが開かれるなど日本一色に包まれたと伝えられている。日本にとっても大国から初めて本格的に外国の文化や文明に触れる機会となった。
日本の使節団が初めてアメリカ大統領に渡したものの1つが、掛け軸「富士飛鶴図」。いま日本にある。所蔵する静岡県富士山世界遺産センターが、2018年に富士山が描かれているという理由で国内の画商から購入。史料をもとに寸法や模様仕様などを調査したところ、遣米使節が当時大統領に贈ったものと特定できた。静岡県富士山世界遺産センターの松島仁教授は「なぜ、日本に戻っていたのかは謎のまま。当時、日本は桜田門外の変で幕府の井伊直弼が暗殺されるなど激動の時代を迎えていた。同時にアメリカも南北戦争が勃発し大混乱の時代だった。その両方を見届けてきた掛け軸が日米の戦争なども乗り越えて巡り巡って、今世界で一番富士山が奇麗に見える場所に戻ってきたことは非常にロマンを感じる」と話している。掛け軸と同時に鎧兜も贈られた。