国際報道 SPOT LIGHT INTERNATIONAL
ハーバード大学との対立を深めるトランプ政権。反ユダヤ主義を助長したなどとして、助成金を打ち切ったり、留学生の入国制限をしたりするなど大学側に圧力をかけてきた。日本の学生にも影響が出ている。この秋に入学予定だった男性はビザ取得の見通しが立たず急遽イギリスに渡るなど新たな進学先を探している。6月下旬、ハーバード大学で関係者に話し聞こうとするが、もの言えぬ空気が漂っていた。公衆衛生大学院のマーク・ワイスコフ教授は認知症の発症メカニズムの研究に取り組んでいるが、5月に助成金が打ち切らる通知が届いた。2億円以上を失うことになった。現地の日本人にも影響が出ていた。40代の研究者は帰国を迫られているという。男性は研究が続けられなくなり、帰国の準備を進めている。研究資金の確保に奔走していたのは医学部准教授の内田舞さん。子どものうつ病など脳の画像をもとに分析し、原因を探る研究に取り組んでいる。6月に新たな研究計画を作成し国の助成金を申請したが、承認の見通しはたっていない。内田さんは民間の寄付者に研究資金の援助依頼をしている。7月4日の独立記念日。ハーバード大学があるマサチューセッツ州は独立運動の中心となった場所でもある。助成金を打ち切られたワイスコフさんは地元のイベントに参加していた。自由の元で発展してきたアメリカの学問、ワイスコフさんはその行方に思いを馳せていた。