- 出演者
- 辻浩平 藤重博貴 酒井美帆
オープニング映像とともにキャスターらが挨拶。
「タイ・カンボジアの武力衝突長期化も」のラインナップを伝えた。
タイとカンボジアの軍事衝突、現場となったのは双方が領有権を争う国境地帯。タイ側ではコンビニエンスストアや病院付近に着弾。これまでに少なくとも10か所で攻撃を受けた。保健省などは住民と兵士あわせて14人が死亡、40人以上がけが。避難した住民は8万人以上。タイ軍は戦闘機でカンボジア軍の拠点を攻撃。タイのプームタム首相代行は国際法が順守されず武力が行使されたことを強く非難すると述べる。カンボジアのメディアは当局者の話としてタイ軍からの攻撃でこれまでに民間人1人が死亡、5人がけがと伝えている。カンボジア国防省の報道官はこれまでに7か所で攻撃があり殺傷能力が高いクラスター弾も使用されたと主張。カンボジア政府は世界遺産のプレアビヒア寺院遺跡の一部が破壊されたと発表、タイ側を強く非難。カンボジア・フン・マネット首相は、武力による侵略には武力で対抗するしかないと述べ長期化も懸念されている。国連安保理は25日に非公開の緊急会合を開催予定。
タイとカンボジアの軍事衝突について、きっかけは2008年にプレアビヒア寺院遺跡が世界遺産に登録されたこと。その後周辺地域の領有権をめぐり武力衝突が繰り返される。2013年、領有権をめぐり国際司法裁判所が遺跡に接する一部の地域についてカンボジアに帰属するとの判断を示す。その他の地域については判断を示さなかったためその後も対立が続く。ことし5月、銃撃戦が発生、カンボジア軍兵士1人が死亡。今月、タイ軍兵士が地雷で負傷するなど緊張が高まっていた。
バンコクから中継でアジア総局の金知英に聞く。タイ側の受け止めは?今回は子どもを含む多くの民間人が犠牲となっているだけに国民の間では大きな衝撃が広がっている。タイ・プームタム首相代行はきょうの演説で、深刻な国際法違反だと述べ、強硬な姿勢を崩していない。今後の展開は?全く見通せない。タイの政治が混乱に陥っている。ペートンタン首相は憲法裁判所の判断で今月1日から一時職務停止。タイ軍をコントロールするはずの首相が不在のまま、制御不能の状態との指摘もある。
ハノイから中継でハノイ支局長の鈴木康太に聞く。カンボジア側の主張は?タイから攻撃を仕掛けてきたと主張。軍事力で劣るカンボジアが先にタイを攻撃する必然性はないとしている。民間人の犠牲者はタイ側が上回っていて、タイからの攻撃が激化すればカンボジア側の被害の拡大につながりかねないという懸念が高まっている。フン・マネット首相はマレーシア・アンワル首相から停戦提案され合意。タイ側が応じなかったため停戦できずと主張。今後の停戦の鍵はタイ側か。
フランス・マクロン大統領はパレスチナを国家として承認することを決めたとSNS上で明らかにした。国連総会で正式に表明するとしている。フランスとしてはイスラエルとパレスチナの2国家共存による和平の機運を推し進めたいねらいか。欧米の主要国や日本は国家として承認せず。フランスが承認すればG7としては初めてとなる。イスラエル・ネタニヤフ首相は、イスラエルを壊滅に追い込むものだとSNSに投稿しこの決定を強く非難。アメリカ・ルビオ国務長官はこの無謀な決定はイスラム組織ハマスのプロパガンダを助長し和平を後退させるだけだとSNSに投稿。イスラエルとハマスはアメリカが示した60日間の停戦案をもとに仲介国カタールで間接的な協議を続ける。ハマスは声明で停戦案の修正を要求したと明らかにした。これについてイスラエルとアメリカは、ハマスが停戦に向けて真剣に取り組んでいないなどと批判。ガザ地区では食料搬入の制限などにより栄養失調で命を落とす人が相次ぐ。国連は一刻も早い停戦と支援物資の搬入を訴えている。
先月、イランの核施設を空爆した際、広島と長崎を引き合いに出し、「あの攻撃が戦争を終わらせた」と発言。この発言は被爆者団体をはじめ、日本から強い反発を招く。アメリカ人の核意識について、皆さんの声。「大量殺人で勝利国のエゴにしか思えない」「核爆弾投下の責任をアメリカはどう捉えているのか」。アメリカでは原爆投下が戦争を終わらせたというのが主流。原爆投下についての世論調査。1954年の調査では落とすべきではなかったは4.3%。人が住んでいない地域に1発目、降伏しなければ都市部に2発目投下は13.8%。2発とも都市に投下すべきは53.5%。同じ世論調査を2015年、2024年にも実施。落とすべきではなかったは36.7%に増える。2発とも都市に投下すべきは19.4%と減っている。この変化の理由について、スタンフォード大学・スコット・セーガン教授は、民間人に対して核兵器を使用することは間違っていると人々が考えていることもあるし、歴史の記憶が薄れていることがあると指摘。市民の間で道徳的な嫌悪感としてのタブーが存在する証拠はほとんどないと指摘。核のタブーという考え方が広がっているわけではない。
アメリカがイランと戦争という想定で核兵器を使うべきか?賛成は59.1%。ポイントは設問にある。核兵器使用で200万人のイラン市民が死亡するが地上戦に踏み切れば2万人の米兵が死亡するおそれがあるとの設問だった。セーガン教授は核のタブーの新年や道徳的な感情を頼りにすべきではない。大多数には影響しないと指摘。核兵器をめぐる意識は日本とアメリカで今も大きな隔たりがある。世界では核兵器廃絶に向けた機運の高まりもある。
8月1日は東南アジアから見た“戦後80年”について伝える。皆さんの声を募集している。
毎日どれくらい歩いている?目標は1日1万歩は、1964年の東京五輪で歩数計メーカーが出した宣伝文句。最新の研究では1日7000歩でも効果あり。2000歩の人に比べ早期死亡リスクは47%低くなり、心臓病や認知症の抑制にもつながる。
NBAプロバスケットボールのスター選手たちがブロックのおもちゃに夢中。ターナー選手はSNSで作品を次々に公開。マーベリックスのライブリー2世選手も。プレーにも良い影響を与えているという。ライブリー2世はタッチ感覚がよくなり左手の使い方も上達したとコメント。グレイ選手はストレスが溜まるとブロックを買いに行こうと思うとコメント。
台北市内ではリコールへの賛成を示す同意や反対を示す不同意と書かれた横断幕にラッピングバスまで登場。台湾では就任から1年経過後、有権者の署名で立法委員のリコールが請求可能。今回のような大規模なリコールの住民投票は異例。台湾の政治も大きな影響を示す可能性がある。野党の国民党は52議席、与党の民進党は51議席。今回の結果次第では議会の構図が変わるかもしれず大きな関心を集めている。
リコールの対象となっている国民党の王鴻薇立法委員は去年、中国共産党の最高指導部メンバーと面会、中国寄りとの批判を浴びる。本人はリコールの呼びかけは不当と主張。台北の蔣万安市長は蒋介石のひ孫にあたり国民党のホープとされている。支持者に反対票を投じるよう呼びかけていた。リコールを主導する市民団体は路上での呼びかけに力を入れている。リコールでは賛成票が反対票を上回り、かつ有権者数の4分の1以上で成立。無党派層の支持を取り付けようとしている。ボランティアで参加している男性は仮名で活動。仕事をやめ街頭で毎日投票を呼びかけている。活動には手応えを感じているという。
台北から中継。国民党議員のリコールを主導する市民団体が集会を開く。きょうも大勢の人が集まっている。国民党も周辺でリコールに反対する集会を開く。台湾には在外投票や期日前投票の制度がない。有権者は戸籍にある場所に帰って投票を行う必要がある。日本からも台湾に戻る人がいるという。リコールは成立する?最近の見通しは?台湾メディアによると、住民投票の対象24人の国民党議員のうち少なくとも10人がリコール成立かと伝えている。頼総統はリコールを主導しているわけではないが本心では補欠選挙で議席を奪還することで安定した政権運営を実現したい狙い。
アメリカのトランプ政権には、数十人にものぼるシリコンバレー出身の企業家や投資家が起用されている。こうした人たちは、今アメリカでは「テックライト」と呼ばれている。「テクノロジー」と「右派」を合わせた言葉で、トランプ政権が進める官僚主義の打破や規制の撤廃を支持している。中には民主主義のシステムを否定する思想も出てきている。今年5月、トランプ政権による規制緩和で値上がりしている暗号資産「ビットコイン」の年次大会が開かれた。来賓として登壇したのはバンス副大統領で、「官僚が技術の発展に介入すべきではない」と主張した。AI・暗号資産の制作責任者であるデービッド・サックス氏は、「バイデン政権時代に、官僚が暗号資産やAIなどを過剰に規制していた」と批判した。トランプ政権内で官僚や規制を強く批判するテックライト。その人たちが信頼を寄せ、教祖とも呼ばれる人物に接触することができた。シリコンバレー出身の思想家でブロガーのカーティス・ヤービン氏はバンス副大統領の友人であり、マスク氏が新党立ち上げにあたって会談したとされる人物。ヤービン氏は官僚制度をすべて撤廃するべきだと主張し、官僚制度や大学、既存メディアなどを「既得権益層」として批判。中世の権力になぞらえて「大聖堂」と呼び、イーロン・マスク氏が率いたDOGEを「大聖堂に風穴をあける取り組みだ」と評価している。一方アメリカではDOGEによる連邦職員の大量解雇や富裕層を優遇する政策に対し、抗議の声も上がっている。しかしヤービン氏は「省庁や議会、裁判所などの民主主義のシステムは不要であり、CEOのようにトップダウンで国家を運営すべき」と主張する。テックライトの中には既存の国家の枠組みを抜け出し、新たな国を築こうという動きもある。プロジェクトを主導するドライデン・ブラウン氏は世界各地の投資家や企業家などに呼びかけ、「プラクシス ネーション」と名付けたネットワーク国家を築こうとしている。広大な土地を購入して、既存の国家の規制や制度に縛られない新たな自治体を設立。CEOがトップとなり、官僚の代わりにAIが運営する。こうした自治体を世界中の国に設置し、ネットワークでつながるという構想。「プラクシス ネーション」はすでにマスク氏が経営するスペースXの社員やDOGEのメンバーなど、テックライトの人たちを中心に約1万2,000人を市民として選んでいる。世界有数の資産家や技術者が集結し、「テクノロジーの力で人類の進歩を加速させる」としている。「プラクシス ネーション」の市民に選ばれた元投資家のコリンズ夫妻はトランプ政権を支持し、「将来民主党政権で再び規制や価値観を押しつけられる事態に備えている」という。テックライトに広がる新たな思想を分析した書籍を出版したアダム・ベッカー氏は、テックライトは「みずからのビジネスのために『民主主義のシステム』を破壊しようとしている」と警鐘を鳴らしている。
テックライトには、単にトランプ政権の規制緩和を支持するだけという人もいる。一方でバンス副大統領やマスク氏が民主主義のシステムを否定するヤービン氏と接近していることが、アメリカの政府や民主主義をどう変えていくのか注視する必要がある。マスク氏とテックライトについては、8月10日のNHKスペシャルでも詳しく伝える。
22日に成立した政府高官の汚職を取り締まる法案をめぐって、ウクライナ各地でデモが続いている。法案では国家汚職対策局など2つの機関を大統領が任命する検事総長の指揮下に置くことを含むことから、「政権からの独立性が失われる」と抗議している。これを受けてゼレンスキー大統領は、2つの機関の独立性を担保するとした新たな法案を議会に提出。法案では検事総長の指揮権を制限することなどが盛り込まれている。国家汚職対策局など2つの機関は「手続き上の権限をすべて回復し、独立性を担保するものだ」と歓迎する声明を出した。
中国とEU(ヨーロッパ連合)は首脳会談を行い、中国は経済や気候変動などの分野を中心に協力を進める姿勢を示した。一方EUは中国に対して、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア側を支援しないよう求めるなど、双方の立場の違いも浮き彫りになった。
日本でも活躍したアメリカの人気プロレスラー、ハルク・ホーガンさんが亡くなった。71歳だった。ハルク・ホーガンさんは屈強な体から繰り出す技とブロンドの長髪に口ひげをたくわえた風貌が人気を博し、1980年代にアメリカのプロレス界を代表するスーパースターとなった。日本でもアントニオ猪木さんと名勝負を繰り広げ、指を突き上げて「イチバン」と叫ぶ姿が親しまれた。トランプ大統領の支持者でもあり、去年の大統領選挙の共和党大会では壇上でタンクトップを手で引き裂くパフォーマンスを見せて会場を沸かせた。警察によると南部フロリダ州の自宅から病院に搬送され、死亡が確認された。事件性はないとしている。トランプ大統領は自身のSNSに「偉大な友人を失った」と投稿し、ハルク・ホーガンさんの死を悼んだ。