みみより!解説 (みみより!解説)
きょうからスイスでプラスチック汚染を止める条約をつくるための会議が行われる。世界の年間プラスチック生産量は1950年に200万トンだったものが、2019年には4億6000万トンに増加した。環境への流出も急増し年2200万トンになった。世界経済フォーラムは、2050年には海のプラごみが魚の総重量を超えると指摘している。プラスチックは自然分解せずマイクロプラスチックが拡散されるため、大気・各国の水道水・血液など体内からもマイクロプラスが検出された。使われている多くの化学物質に発がん性など健康リスクがある。プラスチック汚染防止条約は2022年3月、国連環境総会で決議されたが、5回の政府間交渉が行われたがまとまらなかった。そこで、8月5日~14日にスイス・ジュネーブで再び交渉が行われる。難航の理由は、屋外で使用する製品からもマイクロプラが発生するから。2040年までにプラ汚染を終わらせるにはすべての国が廃棄物管理+生産・使用の厳格な規制が必要。欧州・島嶼国は厳しい規制を求める一方、産油国は規制に反対している。途上国の対策への資金も焦点になる。アメリカは1人あたり容器包装プラ排気量が世界1位で、トランプ大統領令でプラストローへ回帰する姿勢。全会一致の原則があり、プラ汚染に歯止めをかけられる条約ができるのか注目される。