国際報道 米大統領選挙2024 アメリカ 究極の選択
今回は主張が分かれる『エネルギー環境分野』について。気候変動対策を優先するバイデン大統領に対しトランプ前大統領は天然ガス・石油産業を後押ししている。ペンシルベニア州では「シェール革命」以降天然ガスの生産が急増、従事者は42万人余とされる。エネルギー政策の行方が有権者の大きな関心事となっている。この州では前々回はトランプ氏、前回はバイデン氏が制しこの州の勝敗が大統領選挙の結果を左右するとも言われている。バイデン政権は今年1月、LNG(液化天然ガス)を新たに輸出する際の許可を一時凍結すると発表。環境への影響を調べるためとしている。トランプ氏はこれに真っ向から反対し石油天然ガス産業を後押しするとしている。各種世論調査の平均ではトランプ氏がリード。バイデン大統領への反発は根強く暮らしを圧迫するインフレも陰を落としているとみられる。天然ガス企業EQT副社長・ウィリアム・ジョーダン氏は、地域の雇用にとってエネルギー産業は不可欠だと訴える。共和党の地元組織も、エネルギー問題を軸に民主党支持層の切り崩しを図ろうとしている。一方危機感を募らせるのはバイデン大統領の支持者たちで、バイデン大統領を支持する団体のペンシルベニア支部代表ベアタン・デュセア氏は気候変動対策は大きく後退すると考えている。選挙情勢の分析を行う団体を招いてオンライン会議を開き今後の戦略を話し合った。報告されたのは、有権者への意識調査によって浮かび上がった眠っている票の存在。10万人のボランディアを要する団体では、全米の支部を上げて票の掘り起こしを図っている。バーモント州の支部では、メンバーが定期的に集まり、ペンシルベニア州など激戦州の有権者に手書きのポストカードを送って投票を呼びかけている。