新美の巨人たち 新美の巨人たち
下瀬美術館について坂茂のスケッチでは、水上の建物を動かし。配置を変える。あまりにも斬新なアイディア。吉村さんはすぐに気に入り、計画をスタートさせた。しかし、水に浮かべた建物に貴重な美術品を浮かせることなどに対し、批判的な意見も。それでも訪れる人に楽しんでもらいたいという強い思いで、計画をおし進めた。一番の難問は重いキューブをどうやって浮かせ動かすのか。解決のカギとなったのは瀬戸内海で培われてきた造船の技術。展示室のために特注したのは改装工事や運搬に使用される台船。この上にキューブを設置し、普段は水盤のそこに固定されているが、水を注いで水位をあげるとキューブが浮かんで動く仕組みに。最終チェックでは展示室が動いて次々と姿を変化させ、世界で唯一の美術館が完成した。心配された水漏れや湿気も最新技術で万全の対策を施した。