新プロジェクトX 不屈の酒 〜福島 日本一への逆転劇〜
ふるさとの酒造りをどうすれば変えられるのか、渡辺たち「金とり会」のメンバーは議論を重ねていた。研究者の鈴木賢二もデータの分析ばかりではわかりあえないと自分も酒を作ることにした。酒造りは重労働だったが決して諦めなかった。1ヶ月後、賢二は作った酒を「金とり会」に持っていった。杜氏の佐藤寿一は味はまだまだだが心意気は嬉しいと思った。賢二ははデータ、杜氏は技を伝え二人三脚で酒造りを進めるようになった。だが結果はすぐには出ない。金賞の数は一進一退だった。ある日、面白い酵母を見つけたと会の1人がやってきた。「協会1601号」はこれまでにない香りを醸し出す事ができるという。「協会1601号」は吟醸酒の華やかな香りやキレのある味を強く打ち出せる。これをものにできれば金賞に近づける。渡辺は「協会1601号」を入れてみたが泡がなかなか増えていかない。賢二は「協会1601号」のデータを集め分析。自らも10回以上酒を作り最適な環境を確かめていった。金とり会も同じ特徴をもつ酵母を集め、それぞれの環境で試していった。失敗続きだったが誰一人、諦めず挑み続けた。1年後、賢二が最適な数値を見つけた。酵母を合わせる時の温度は6.5℃。発酵を進める時は11℃。厳密な温度管理を渡辺たちに求めた。渡辺たちは何度も話し合いながら酒を極めていった。1年1年少しずつ酵母をいかせる蔵が増えていった。金賞の数も10を超える年が続くようになっていった。2006年春、賢二の元に渡辺から「日本一になったぞ」と連絡が入った。金賞の数は23。11年かけて初めての日本一に輝いた。2010円には2度目の日本一。安いがまずいというイメージを完全に覆した。しかし翌年3月11日、東日本大震災が発生。津波が全てを流し原発事故が起こった。金とり会の若手、鈴木大介。浪江町で200年続く酒蔵を構えていたが津波で完全に流されてしまった。しかも原発からわずか7km。大介は蔵の跡地を見に行くことすらできなかった。
