新プロジェクトX 世界が認めた豪華列車〜赤字鉄道が起こした奇跡〜
1980年代、国鉄は空前の赤字に喘いでいた。その額、1日60億円以上。債務は37兆円に達し、解体された。分割された1つJR北九州は再出発直後から存続が危ぶまれていた。山手線や東海道新幹線のようなドル箱路線はなくほぼ全てが赤字路線。車両も他の地域で使い古されたものばかりで、九州は車両の墓場と揶揄されていた。危機感をつのらせたのが営業部の唐池恒二だった。20年後の2009年、唐池は社長に就任。しかし鉄道は赤字のままだった。中国の旅行会社に商談に行ったとき、名刺を見せると「九州というのはどこですか?」と言われた。このままでは九州は廃れると思い、就任1週間後、経営幹部を集め、世界一の豪華列車を作り海外から客を呼び込むぞと伝えた。2011年、メンバー7人のプロジェクトチームが結成。旅の企画を任されたのは、仲義雄。仲たちは手がかりを求め、ヨーロッパに飛んだ。目的はロンドンからベネチアを走るオリエント急行だった。仲はオリエント急行の責任者に「世界一の豪華さはどうすれば実現できる?」と聞くと責任者は「考えるべきは単なる豪華さではない。日本の魅力だ」と言われた。帰国後、仲は旅のルートづくりのため、九州中を訪ね歩いた。ローカル運転士たちに地元に眠る情報はないか徹底的に聞き取りをおこなった。宮崎の運転士は「日向灘の朝日は絶景」だと言った。
