国際報道 Voice to Voice
「Voice to Voice」は視聴者から寄せられた声に正面から答えるコーナー。きょうのテーマは「ニュースのあり方、メディアに対する不信」。60代の視聴者から「根拠ある情報でも、都合よく切り取って報道する既存メディアも存在する」、50代の視聴者から「日本のテレビ報道がひどいと感じる。報道する側は事実のみを公平に伝えてほしい」などの意見が寄せられた。メディアに対する不信は日本はもちろん、世界中で広がっている。イギリスのロイター・ジャーナリズム研究所が毎年出している報告書は、世界のメディアの信頼など最新情勢についてまとめている。今年は48の国と地域で約10万人を対象に調査が行われた。「ニュースは信頼できる」と回答した割合は、フィンランドが67%と最も高かった。しかしほとんどの国が50%以下で、日本は39%に留まっている。2015年は46%だったが、今年は7ポイント下がった。主要メディアでニュースを見る人も少なくなっている。ニュースの情報源としてどのメディアを利用するか聞いたところ、テレビは10年前は73%だったが今年は50%にまで下がっている。新聞・雑誌も10年前は46%だったのが、今年は19%。新聞の発行部数はこの20年で半減している。一方のソーシャルメディアはまだ低いが上昇傾向にあり、影響力が拡大している。報告書では去年行われた兵庫県知事選挙について、「当選した斎藤知事は既存メディアの報道に不信感を抱いていた層からネット上で支持を集めた」と指摘している。40代の視聴者からは「報道されるニュースがどちらか一方の視点に偏っていないことをどのように説明するのか」という意見が寄せられた。こうした声はロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとパレスチナ、イランの衝突、トランプ大統領のニュースなど特定のニュースについて多く寄せられる。人々の価値観が時に対立する中でどういった立場からニュースを伝えるのか、ほんとうの意味での公平・公正とは何か、そこに唯一の解はない。できるのはニュースを様々な視点から伝えることで、国際ニュースを理解するうえで視聴者の役に立つこと。