首都圏ネットワーク (ニュース)
東京・北区王子駅の近くにあり北区のシンボルとして親しまれている「北とぴあ」は来年から休館して改修工事が行われる予定だったが、建設資材の高騰によって全面的に見直されることになった。会見で山田加奈子区長が改修計画の見直しを明らかにした。すでに事業者とは4億4000万円余りの設計業務の委託契約を結んでいてこの段階での中止は異例となる。区は計画をいったん白紙に戻し電気設備や配管など施設の維持に必要な修繕を行いながら2年ほどかけて改修内容の見直しやコスト削減を図る方法などを検討し新たな計画をまとめるとしている。工事費の高騰が続く中、東京・五反田にある複合施設、TOCビルの建て替えも見直されることになった。建設から50年以上たったことから30階建ての高層ビルに建て替える計画を公表し先月閉館したが、建築費の高騰やビルの賃貸市場の状況を踏まえて当初の計画を見直すことになった。建て替えの着工時期は令和15年ごろを想定していて一定の期間がかかることから閉館したばかりのビルはことし9月ごろに営業を再開する予定だという。世界的な資材価格の高騰について日本建設業連合会の金井甲専務理事に話を聞くと「資材はかなり高い状況で高止まりしている」と述べ、さらに各社の賃上げの動きで人件費も上昇しているとして「今の状況から言うとそう簡単にすぐに下がる状況ではない」とコメントした。北とぴあの改修計画の見直しを発表した山田区長は今後の事業の進め方について「社会情勢の変化が激しい中、行政として臨機応変に対応する対応構築は必要」と話している。