グッド!モーニング 独自取材
きのう夜、入山ゲートが閉められた山梨県側の「富士吉田ルート」。富士山の夏山シーズンが終わった。これまでに2200回以上登頂している“ミスター富士山”の姿も。しかし今年は回数が少ないという。悪天候に加え今シーズンから山梨県側では登山者数や時間の規制が。静岡県側では登山者の事前登録システムが始まり、7月の山開きからの登山者数は約18万人と昨シーズンを下回った。一方でより賑いを増しているのが麓の観光地だ。富士山の伏流水が数十年かけてろ過されこんこんと湧き出る世界文化遺産「忍野八海」。冬には雪の衣をまとった富士山と澄み切った水辺の絶景が広がる。人気なのは8つの池のうち湧き出る水の量が最大で透明度度が最も高い「湧池」。しかし池を覗き込むとそこには大量の硬貨が敷き詰められている。「硬貨投入禁止」の看板が立てられているが湧池へのやまない投げ銭が大きな問題になっている。取材をしていると硬貨を投げ込む中国人観光客の姿があった。約1時間の間だけで硬貨を投げ込む観光客の姿が5組確認できた。池を管理する山梨県・忍野村は景観条例があるためより大規模な対策を講じることができないという。そんななか立ち上がったのがボランティアのダイバーたち。ベテランダイバーの坂本さんたちは数ヶ月に一度硬貨を回収しているが対応が追いつかない。その理由が“高所潜水”という特別な環境。標高が高い場所でのダイビングは「減圧症」のリスクが高く、さらに水温が年中13℃という凍えるほどの冷たさ。潜れる時間はベテランのダイバーたちでも一度に10分程度が限界。危険を伴う作業になるのだ。回収は手作業。国の天然記念物に指定されている忍野八海では清掃に機材は使えず1枚1枚コインを手づかみで地道に集めるしかない。しかし澄み切っていた水中はすぐに小さな土砂が舞い、視界を奪われてしまう。10分のダイビングを2度行い作業は終了。日本円だけで硬貨は約6万円分。スマートフォンや指輪なども出てきた。円安の影響からか500円玉や100円玉が多く投げ込まれ、外貨もたくさん見つかった。投げ込まれる硬貨は年々増えているため、1回の作業では完全に取り除くことが困難になっている。