モーサテ 日経朝特急
中国の長期金利の指標となる10年物国債利回りが、過去最低水準に迫っている。当局は金融機関への窓口指導や自主規制団体を通じ金利低下を阻止しようと躍起。国債にマネーが集まる背景には、中長期的な成長低下による日本化懸念、不動産不況や株式投資への国民の根強い不信などが背景にある。国有大手銀行と比べ、顧客基盤が弱い農村金融機関などが資金を振り向けている。こうした中、金利の反転上昇による保有債券の含み損がきっかけで破綻した米国のシリコンバレーバンクのような事態を防ごうと、中国人民銀行は国債の利回り低下の阻止に動いている。国有大手銀行にも長期国債の売却を促すなど窓口指導を強める中、今後は口先介入にとどまらず、公開市場操作による直接的な国債売り介入に乗り出すかどうかが焦点となりそう。(日経電子版)