Newsモーニングサテライト プロの眼
アモーヴァ・アセットマネジメント・山内裕也氏の解説。先週中国で2026年第1四半期のGDPが発表された。前年同期比で5%増となり、政府の年間目標4.5~5%の上限に達した。前期比でも上昇しており、市場予想を上回る強い数字だった。注目点の1つは成長のドライバー。内訳を見ると投資と輸出が昨年に比べて伸びている一方、消費は伸び悩んでいる。投資では、新しい5カ年計画の初年度にあたり、停滞していた政府のインフラ投資が動き出した反発が影響。輸出も中東紛争の影響が限定的で好調なため、一時的な要因にも支えられた数字。もう1つの注目点は物価。中国では不動産不況に伴うデフレ傾向が指摘されて久しい。引き続き名目GDPの伸び率が実質GDPの伸び率を下回っているものの、その差はわずか0.1しかなかった。2023年6月以来ずっとマイナス圏だったが、今回はっきりと縮小している。3月の物価統計でも消費者物価指数は前年比+1%、生産者物価指数は+0.5%。この統計数字は中国のデフレ傾向の象徴であり、中国国内でも注目されている。物価の中身を見ると、銅や金などコモディティ価格の上昇が影響している。一方で中国の国内需要は全体でみるとまだ弱い。この物価がどこまで伝わるかが問題。中国政府はデフレ傾向を気にし始めており、今年の政府目標においても重点ポイント。政策面と合わせて時間をかけて観察する必要がある。
最近のイランへの攻撃が中国経済に与える影響について、中国は原油の準輸入国であり原油価格の上昇はマイナス。イランは中国の友好国で原油の輸入も行われていると言われ、その点でも打撃。中国の経済成長における原油の需要は、従来ほどは高くなくなってきている。エネルギー効率化やEV普及が影響したと考えられる。政策面でも中国の原油輸入企業はすべて国有企業であり、コントロール手段も持っている。アジアの輸入国に比べると原油高への体制は高い。上海総合指数は3月の下旬から原油高へのマイナス面を警戒し、急速に調整に入っている。一方、ハイテク企業中心のカテゴリーである深セン創業板は、いったん下落はしたものの4月に入ってから大きく反発。AI関連が入っていることと、EVバッテリーや太陽光発電のような原油高が追い風になる業種が含まれているため。中国全体を考えると、原油高が世界経済にどのような影響を及ぼすかという側面も合わせて考えなければいけない。世界経済全体が減速すれば、最終的には中国の輸出全体にもマイナスに働く。中国は昨年はトランプ関税による逆風が大きなテーマだったが、今年は米国との関係を安定化させる段階。米国が中東対応に苦慮すると外交面では中国に有利に働くが、経済的には不透明感が残る。中国は様子見の姿勢だが、4月末や7月の政策レビューで下押しリスクが強いと判断すれば、政府は追加の経済対策を打ってくるだろう。イランのリスクが短期的に終わるようであれば、有望セクターはAI投資の分野。
