NHKニュース7 (ニュース)
アメリカと中国の温度差について、アメリカ・ワシントン支局の須田正紀は「トランプ政権が置かれた厳しい立場が影響している。イラン情勢について特徴的だったのは、両者で合意したことだけではなく相手の発言の趣旨まで発表したこと。例えば“習主席はホルムズ海峡の通行料の徴収に反対した”と強調した。イラン情勢が長引く中で、中国から協力を約束させたと印象付けたいという前のめりな姿勢が見て取れた。外交関係者からは『中国にとっては戦略上アメリカがイランにとらわれていた方がメリットだ』という声もある。協力の実効性は不透明だと言わざるを得ない。一方の台湾をめぐっては、トランプ大統領は滞在中に記者から質問を受けても言及を避けた。国内向けにアピールとなる貿易の合意を優先し、相容れない分野が表面化するのは得策ではないとの判断をした可能性がある。対中国で武器としてきた関税の効果は、司法判断で薄れている。レアアースをめぐっても、中国の優位性は変わっていない」などと語った。中国総局の為井貴規は「習主席は会談を“歴史的、象徴的”と表現して成果は大きいと考えているはず。今後の米中関係の方向を定めるため、中国が用意したのが『建設的戦略安定関係』という新たなキーワードだった。アメリカ側はいまのところこれに言及していないが、中国が強調するのには理由がある。米中の間には立場は大きく違う問題があり、中でも台湾をめぐっては今回中国の立場を強く打ち込んだ。一方で経済や貿易などの協力できる分野もあり、新たなキーワードはアメリカとの違いをうまくコントロールしながら協力を進めて、中長期的に安定した関係を築くのが狙い。イラン情勢についても立場の違いが発表の温度差に現れているが、協力できる一致点があったのかは今後を見る必要がありそう。9月には習主席の訪米も想定されている。中国は今回打ち出した新たなキーワードを指針として、トランプ政権と安定した関係の継続を目指すことになりそう」などと語った。トランプ大統領が中国から帰国の途についたことを受け、日本政府は今回の米中首脳会談の内容について説明を受けるため、高市首相との電話会談の調整を進めている。
