報道特集 (特集)
今年5月、滋賀・大津市で社会復帰を支援する保護司が殺害された。容疑者は保護観察中だった。事件は出所後、保護司に頼らざるをえない受刑者たちにも衝撃を与えた。更生保護施設「古松園」にやってきたのは、4年前に仮釈放され、現在保護観察中の無期懲役囚。保護司との強い絆がうかがえる。無期懲役囚は一生、無期懲役が消えることはない。1か月に2回、保護司との面接が順守事項。出所者が身を寄せる民間の更生保護施設「古松園」は1897年に設立された。部屋代は半年、食費は2か月間無料。仮釈放後の無期懲役囚が定員20人の半数を占めたこともあった。山積みされた衣類や日常品、食料品の米、みそ、しょうゆに至るまで支援者から寄付されたもの。理事長は歴代、現職・岡山市長が務め、地域の代表が古松園の役員になっている。保護司・古松園・岩戸顕園長は元少年院の教官。服役中の無期懲役囚、75人の身元引受人で、これまでに仮釈放後の約80人の面倒を見ている。引き受けるに当たっての面接は犯罪内容に踏み込む厳しいもの。岩戸園長には、身元保証を懇願する無期懲役囚からの手紙が殺到。