円安続くなか 経済の先行きは

2024年5月16日放送 21:21 - 21:27 NHK総合
ニュースウオッチ9 (ニュース)

ことし1月から3月までのGDP(国内総生産)。前の3か月と比べた実質の伸び率が、年率に換算して−2.0%と、2期ぶりにマイナスとなった。歴史的な円安が続く中で、日本経済は今後どうなるのか。仙台名物の牛タンは、円安の影響で、仕入れ価格のさらなる値上がりが心配されている。宮城・仙台市の店では、米国やオーストラリアなどから牛タンを仕入れている。このうち米国産の1キロ当たりの仕入れ価格は、1年前の約1.5倍に値上がりしている。牛タン専門店・小野博康社長室長は「同じことをやっていれば、経営はどんどん圧迫されていく」と語った。
福岡・福岡市の金属の加工を手がけている会社では、円安が大きな悩みの種になっている。さびを防ぐめっき処理の技術などを磨いてきた会社では、処理に使う材料のほとんどが輸入品で、仕入れ価格は1年前に比べて3割〜4割上昇。円安が利益を押し下げる中、社員の賃上げの幅を決めかねている。金属加工会社・山田登三雄社長は「客に対して価格転嫁をお願いしていかないと持続的な経営が非常に難しくなってきている」と語った。
円安が続く中、ことし1月から3月期のGDP(国内総生産)の速報値が発表された(内閣府)。物価の変動を除いた実質の伸び率は、前の3か月と比べて−0.5%に。年率に換算すると−2.0%で、2期ぶりのマイナス。個人消費は前の3か月と比べて−0.7%だった。自動車メーカーが認証取得をめぐる不正で、車の生産や出荷を停止したことなどが消費に影響した形。個人消費のマイナスは4期連続となり、リーマンショックの前後のころ以来となる。
専門家は今回のGDP(国内総生産)をどう見たのか。明治安田総合研究所チーフエコノミスト・児玉祐一さんは「物価高の影響がずっと尾を引いている。実質ベースの賃金はマイナスが続いているから、自動車という特殊要因がなくても個人消費は弱かったと思う」、円安の影響については「会計には輸入物価の上昇を通じて円安はマイナスに働く。地方の中小企業にとっては、厳しい状況が続いている。物価の上昇という形でデメリットを感じやすい」と述べた。
個人消費が伸び悩む中、どのようにお金を使っているのか、新鮮な海の幸が楽しめる東京・江東区の商業施設で取材。
インバウンド需要は好調。東京・台東区・かっぱ橋道具街にある店では、1日平均で200人以上の外国人観光客が訪れている。売り上げは去年の同じ時期と比べて約40%増加。
今後の日本経済、活気を取り戻すことができるのか。明治安田総合研究所チーフエコノミスト・児玉祐一さんは「先行きの見通しは改善しつつあるのでは。春闘で高めの賃上げが実現しているので、4月以降、企業の給料に反映され始めるから、消費マインドが上向いて、個人消費が伸びる展開が期待できる。もうかった企業が賃上げという形で家計に還元するかがカギを握っている」と述べた。


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