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フィリピンやインドネシアなどの東南アジアの国では、より高い賃金と明るい将来のために多くの出稼ぎ労働者がふるさとを離れ海外での仕事を追い求めるようになった。ある女性がフィリピンで鉄くずやプラスティックなど金目のものを拾い集めて毎月稼いでいた額はわずか34ドル。5人の子どもを養って学校に行かせるのがやっとだった。このためサウジアラビアで月給400ドルの家政婦の仕事があるという話に飛びついたという。2016年から19年まで中東に出稼ぎに行った彼女は現在43歳。子どもを残して働きに出たことを悔やんでいると語る。子どもを置き去りにする上、子どもたちの成長を見守ることができなくなるという。海外で働くフィリピン人は少なくとも700万人。毎年送金している額は400ドル近くに上り、フィリピンのGDPの9%に相当する。しかしフィリピンの出稼ぎ労働者支援団体の男性は、残された子どもたちは社会で抑圧した経験をし、大多数の子が薬物に手を出したり、暴力に走ったり、性的搾取や虐待を受けたりするようになると指摘する。インドネシアも似たような状況にあるという。人権機関のトップは、出稼ぎには多くの社会的な代償を伴うが、政府はこの問題を軽減する対策を取っていないと話す。
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- CNA