国際報道 (ニュース)
ハイテク企業が集まる南部の広東省・深センの広場では、自律型AIソフトの無料ダウンロードを求め大行列が出来ていた。自律型AIは初期設定が複雑なことから、中国での普及を目指す大手AI企業などが各地でダウンロードから初期設定までを無料で代行するイベントを開いていて、多くの人が詰めかけている。シンクタンクによると去年の市場規模は日本円で4,000億円を超えている。深センで工業団地の開発や運営を行っている紫剣さんも、2週間前に参加したイベントで自律型AIをインストールした。同業他社の事業規模や動向について、ネット上の情報を幅広く調べ具体的な数字などを交えて見やすくまとめてくれるため、業務の効率は飛躍的に向上したという。さらに広告用のイラストの作成も任せている。また投資に活用する動きも広まっている。会社員の武恒さんは、自律型AIにスマートフォンを使って口頭で指示を出すと、AIがパソコンを操作して投資先などを決めるのに役立つ情報をまとめてくれる。使い始めてからの収益は3割程度増えたという。一方懸念されているのが安全性で、自律型AIはパソコンやスマートフォンを人に代わって操作するため、データの漏えいや想定外のファイル削除などのリスクがある。さらに深刻化した場合、企業などへのサイバー攻撃に悪用されるおそれもある。中国のIT企業の調べでは、“ネット上に公開されている自律型AIの機能4万余のうち、6割以上に安全上の問題がある”とされている。こうした中で杭州にあるIT大手は先月、安全対策を追加した自律型AIの提供を始めた。個人情報やパスワードの流出のリスクを検出し、危険度を判定したうえで解決策まで提示する機能を備えている。中国IT大手でAI技術開発責任者を務める陸旭明さんは「自律型AI本位で人間が補助するという形になり、人間とAIの関係が根本的に変わった。自律型AIに安全な“よろい”を与え、皆さんが安心して使えるようにしたい」などと語った。
