2026年5月15日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2026 融和ムード一転?水面下の米中の覇権争い

出演者
山澤里奈 辻浩平 藤重博貴 小田島拓也 
(オープニング)
オープニング

オープニングの挨拶。

ニュースラインナップ

「米中首脳会談接近か離反か」などラインナップを伝えた。

(ニュース)
両首脳 “大切なパートナー”

きょう北京で行われた米中首脳会談。会談冒頭両首脳はお互いを“大切なパートナー”と強調。冒頭の発言では両首脳ともイラン情勢について直接触れなかったが、ホワイトハウスの当局者は“両国はイランが決して核兵器を保有してはならず、ホルムズ海峡は開放されていなければならない”との認識で一致した。経済・貿易についてトランプ大統領は「貿易やビジネスを行うことを期待している。相互関係ができるだろう」などとの述べた。台湾をめぐる問題については中国はアメリカ側をけん制した。トランプ大統領は報道陣から問われると何も答えずにその場を後にした。

LIVE 北京

中国側の今回の首脳会談の受け止めについて、一定の手応えを感じているものとみられる。安定した関係構築を強調しながらも譲れない点については物申す姿勢を示した。経済や貿易では中国とアメリカの間で関税や半導体などで対立点がある一方、中国としてはアメリカとの関係を安定させておきたいのが本音。一方中国が絶対に譲れないのが台湾。今習近平国家主席は強い言葉でアメリカをけん制、自らの立場を示す機会と捉えていたようにみえる。

解説「注目の米中首脳会談」

米中首脳会談で注目されていたイラン情勢について。ホワイトハウス当局者は“イランが核兵器を保有してはならず、ホルムズ海峡は開放されなければならない”との認識で一致したとしている。会談冒頭トランプ大統領は習近平国家主席のことを「偉大な指導者」と発言、牛肉・農産物・エネルギーなどを中国が輸入を拡大することを打ち出せるのか注目となる。

ロディアム・グループのリヴァ・グージョンディレクターにインタビュー。トランプ大統領は習近平国家主席と去年10月に韓国で会談しているが、その時と比べトランプ大統領は今弱い立場で会談に臨んでいると指摘。主な理由は2つ、1つは大統領の関税の権限問題。もう1つにイランの戦争とその甚大な余波だと説明。イランの戦争でアメリカが払った最大の犠牲は「信頼」で、習主席はそれを世界の舞台で示そうとしているという。中国が優勢に立つ上でさらに重要なポイントは、イランの戦争でアメリカは弾薬の備蓄を大幅に消耗したこと。備蓄の補充のためにはレアアースをはじめとする重要鉱物が不可欠で中国が支配している。

中国のアメリカの大きな火種のひとつが「レアアース」。1980年代はアメリカがレアアースの世界最大の生産国だったが、中国は周到に長期的に戦略を練りその座を奪い取ってきている。アメリカは今後精製を中国に依存しないためには環境技術に配慮した取り組みが必要で、スピードが鍵になる。米中戦争は今後も中長期的に続くとみられる。

水面下の覇権争い

中南米でも中国とアメリカが激しい争いを繰り広げている。2000年以降中南米に本格的に進出し影響力を拡大してきた中国、巨大経済圏構想「一帯一路」には中南米の20か国以上が参加。これに対しトランプ大統領が打ち出した外交戦略、所謂「ドンロー主義」は“西半球はアメリカの縄張りである”との方針で中国の進出をけん制している。 ペルーは両国の利害がぶつかり豊富な鉱物資源と農産物の輸出で成長を続けている。

おととしペルーに開港したチャンカイ港は、総事業費の6割を中国国営の海運大手が出資した。大型のコンテナ船がペルーで初めて入港できるようになった。開港から1年半余、想定を超えるスピードで取扱い量が拡大している。中国との経済的な結びつきを強めてきたペルー、2011年に最大輸出先がアメリカから中国にかわりその8年後には中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に正式参加した。中国にとってもチャンカイ港は自国の自動車などを売り込む重要拠点となり、今年はこの港を通じて1万9000台のEVのペルーへの輸送を計画している。アメリカとEUが中国製EVに関税を課すなど締め付けを強める中、南米市場の重要度は増しているという。港湾施設を軸としたサプライチェーンは中国に重要な地政学上の利点をもたらす一方、アメリカにとっては深刻な脅威になると指摘している。

南米は2000年代まではアメリカと地理的にも経済的にも結びつきが強かったが、その南米で なぜ中国が影響を強めることができたのか。小田島拓也氏は中国は国家主導で長期的な視点で一貫して戦略を進める点にあると指摘。今年3月アメリカ・フロリダでペルーを含む中南米カリブ海諸国の首脳を集めた会議を開催。この時トランプ大統領はアメリカと協調するよう求めている。「裏庭」と言われる南米で巻き返しを図っているとみられる。

WOW!The World
火星探査車が自撮り

NASA(アメリカ航空宇宙局)が公開したのは火星探査車「パーシビアランス」の自撮り写真。アームの先端についたカメラでパチリ、ピースサインはしていない。

バロック時代の宮廷の宝物 展示

ドイツ東部ドレスデン。かつての王宮で18世紀ごろの宝物の展示が始まった。バロック時代の宮廷文化をみることができる今回の展覧会、450点に及ぶ展示物の多くは第2次世界大戦以降初公開となる。

イギリス アッテンボロー氏 100歳に

イギリスの著名な動物学者デイビッド・アッテンボロー氏が100歳の誕生日を迎えた。長年野生生物のドキュメンタリーを手がけ、今や伝説的な存在。早くから気候変動に警鐘を鳴らしてきたアッテンボロー氏はイギリスの誇りである。

エンパイア・ステート・ビル 95周年

ニューヨークの観光名所「エンパイア・ステート・ビル」が95周年を迎えた。僅か410日間で建設されたビルで、展望台からはマンハッタンを一望できる。エッフェル塔よりも高く、窓の数は6500以上。

(ニュース)
1日あたり1,200万バレル余減少 需要の1割超

IEA(国際エネルギー機関)が13日に公表した石油市場に関する報告書の分析によると世界の石油供給量は先月1日あたり9,510万バレルで、アメリカとイスラエルがイランに対する軍事作戦を開始した今年2月以降1日あたり1,280万バレル減少した。IEAは「仮に今後もホルムズ海峡からの輸送が再開されてもすぐには供給が回復しない可能性があり、石油価格についてはさらなる変動が予想される」と指摘している。こうした中、ロイター通信やブルームバーグは14日、“石油元売り大手のENEOSホールディングスが管理するパナマ船籍の原油タンカー「ENEOS ENDEAVOR」がホルムズ海峡を通過した”と報じた。イランの国営放送は“イランは日本の船舶がホルムズ海峡を通過することを認めた”とSNSに投稿し、“イランの管理下でホルムズ海峡の航行は確保されている”と強調した形。イランと湾岸諸国との間で緊迫した状態が続く中、イスラエル首相府は13日“今年2月下旬に始まったイランに対する軍事作戦のさなか、ネタニヤフ首相が秘密裏にUAE(アラブ首長国連邦)を訪問し、ムハンマド大統領と面会した”と発表した。ロイター通信は情報筋の話として、“両者の会談は3月26日にUAEの都市アルアインで数時間にわたって行われた”と報じている。一方イスラエルとの関係強化が伝えられているUAE外務省は声明を発表し、ネタニヤフ首相の訪問を否定した。イスラエル首相府の発表の後、イランのアラグチ外相はSNSに“イスラエルと結託し、分断の種をまく者たちは必ず責任を問われるだろう”と投稿し、UAEの動きを非難した。また中国やロシア、イランなどが加盟するBRICSの外相会合がきょうからインドで始まり、アラグチ外相も出席し「この場にいるほとんどの国にとって、米国のいじめに抵抗することはなじみのない戦いではない」などと述べ、BRICSとして米国とイスラエルを非難するよう呼びかけた。

中国で利用進む 自律型AI

AIエージェントと呼ばれる自律型AIが、今中国で急速に利用が広がっている。例えば旅行を計画したい時、生成AIの場合はおすすめの場所や交通機関などを尋ねると最新の情報をまとめてくれる。しかし鉄道やホテルの予約は人が行う。一方の自律型AIは「旅行の計画を立てる」というゴールを設定し一定の条件を与えると、自らスケジュールを作成しチケットやホテルの予約まで行ってくれる。日本でも活用が始まっているが、中国では幅広いシーンでの活用が進んでいる。

利用進む自律型AI 課題は

ハイテク企業が集まる南部の広東省・深センの広場では、自律型AIソフトの無料ダウンロードを求め大行列が出来ていた。自律型AIは初期設定が複雑なことから、中国での普及を目指す大手AI企業などが各地でダウンロードから初期設定までを無料で代行するイベントを開いていて、多くの人が詰めかけている。シンクタンクによると去年の市場規模は日本円で4,000億円を超えている。深センで工業団地の開発や運営を行っている紫剣さんも、2週間前に参加したイベントで自律型AIをインストールした。同業他社の事業規模や動向について、ネット上の情報を幅広く調べ具体的な数字などを交えて見やすくまとめてくれるため、業務の効率は飛躍的に向上したという。さらに広告用のイラストの作成も任せている。また投資に活用する動きも広まっている。会社員の武恒さんは、自律型AIにスマートフォンを使って口頭で指示を出すと、AIがパソコンを操作して投資先などを決めるのに役立つ情報をまとめてくれる。使い始めてからの収益は3割程度増えたという。一方懸念されているのが安全性で、自律型AIはパソコンやスマートフォンを人に代わって操作するため、データの漏えいや想定外のファイル削除などのリスクがある。さらに深刻化した場合、企業などへのサイバー攻撃に悪用されるおそれもある。中国のIT企業の調べでは、“ネット上に公開されている自律型AIの機能4万余のうち、6割以上に安全上の問題がある”とされている。こうした中で杭州にあるIT大手は先月、安全対策を追加した自律型AIの提供を始めた。個人情報やパスワードの流出のリスクを検出し、危険度を判定したうえで解決策まで提示する機能を備えている。中国IT大手でAI技術開発責任者を務める陸旭明さんは「自律型AI本位で人間が補助するという形になり、人間とAIの関係が根本的に変わった。自律型AIに安全な“よろい”を与え、皆さんが安心して使えるようにしたい」などと語った。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
ロシアによる大規模攻撃 死者も

ウクライナの首都・キーウでは14日にかけて、ロシア軍による無人機やミサイルを使った大規模な攻撃があった。ウクライナのゼレンスキー大統領はSNSで「首都・キーウでこれまでに計5人が死亡したほか、約40人がけがした」としてロシアを非難している。このうち「9階建ての集合住宅は無人機が直撃し入口が完全に崩れ、10人以上の行方がわからなくなっている」としている。また崩れた住宅の下に住人たちが閉じ込められている可能性があるとして、救出作業を急ぐ考えを強調した。

新議長 米議会上院で承認

アメリカの連邦議会上院は13日、トランプ大統領がFRB(連邦準備制度理事会)の次の議長に指名したケビン・ウォーシュ氏の人事案を承認した。現在のパウエル議長の任期は今月15日までで、ウォーシュ氏が新たな議長に就任することになる。トランプ大統領はFRBに対し繰り返し利下げを求めていて、ウォーシュ氏がほかの理事を説得することに期待を示している。ただイラン情勢に伴う物価上昇でむしろ利上げが必要になるのではないかという見方もあり、ウォーシュ氏は難しい舵取りを迫られることになりそう。

イスラエルとハマス 双方と協議継続

パレスチナのガザ地区の和平計画をめぐり暫定的な統治を監督する平和評議会のムラデノフ上級代表は、計画の進展に向けてイスラエルとイスラム組織ハマスの双方と協議を続ける考えを示した。ガザ地区では去年10月の停戦合意後もイスラエル軍による散発的な攻撃が続き、死者は850人を超えている(地元保健当局発表)。ムラデノフ上級代表は「イスラエル政府と協議をしている」とする一方、「ハマスの武装解除が欠かせない」としてハマス側との協議も続ける考えを示した。

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