とれたてっ! モノづくりの源場~なくしたくないニッポン
1945年創業の「ウエダ美粧堂」は国内有数の化粧筆メーカー。なめらかな肌触りと豊富な種類から化粧品業界で大きな話題となっている。この化粧筆作りを担う職人が2代目の植田孝さん。職人歴55年で、82歳の今も最前線で活躍している。化粧筆作りで重要なのは毛材から曲がった毛や逆毛などを取り除くこと。孝さんいわく80%以上を取り除かないと化粧筆にはならないという。まだ化粧筆作りで最も重要な工程が「穂先つくり」で、毛材を「コマ」という型に入れて形を作っていくという。型となるコマ作りは穂先の構造・毛材の性質を理解して手作業で削り上げるといい、孝さんしか作ることができないとのこと。孝さんは先代から毛材の加工技術を教わり、コマ作りは独学とのこと。孝さんの技術は3代目の嘉孝さんに引き継がれているという。孝さんは化粧筆作りについて「どこまでが終わりか見えない。毎日が勝負だと思ってやっている」などと話した。