半導体を学ぶ日本人留学生

2025年12月18日放送 15:14 - 15:21 NHK総合
午後LIVE ニュースーン (ニュース)

台湾中部にある雲林科技大学では日本人を対象に半導体人材育成の特別プログラムを9月から本格開始。半導体を製造するために必要な機械工学や生産管理などの専門知識を教え、工場で働く人材を育てるのが狙い。日本人留学生は17人。授業は中国語と英語。プログラムには資金面で破格の補助がある。台湾の半導体メーカーの寄付により4年分の学費約240万円を全額免除される上、生活費などとして毎月5万円を支給される。日本人留学生の男性は大学の敷地内でインドネシアや香港の留学生と4人で生活している。日本の大学で経済学を卒業した後、実際のビジネスの現場で役立つ知識を身につけようと台湾への留学を決意。男性は、「キャリアについて考える場所がある。自分で実際にやってみるというところに重きを置いているように感じる」「工場長とかやってみたい。何かにたけた第一人者になりたいという思いがあった」などと述べた。
台湾側が日本人留学生を熱心に呼び込む背景にあるのが日本での人材不足。半導体の受託生産で世界最大手のTSMCは熊本県で2つめの工場の稼働開始を目指す。しかし、日本の大学では半導体人材の育成が不十分だと指摘されている。雲林科技大学の張学長は「将来的に現地工場で管理職を担える人材を育成したいと考えている。管理職には製造プロセス全体の理解と中国語によるコミュニケーション能力が求められている」と述べる。高度な研究開発を担う人材を育成しようと日本と台湾の大学どうしの連携も進んでいる。新竹サイエンスパークの中核となる陽明交通大学が日本の北海道大学、東北大学、九州大学、熊本大学と協定を結び、共同で研究室を設置。九州大学大学院から留学している男性は次世代の半導体を作る技術を研究をしている。研究室ではクリーンルームが24時間利用できる。企業の開発現場で使われる装置も整備されている。男性は「自分がやりたいときに実験できるというのはかなり理想の環境だと思う」と述べた。新たな技術をどうビジネスにつなげていくか、授業では台湾企業の担当者を交えて議論することもある。台湾の李副社長は「授業を通して市場のこと、そして競争力のある製品を開発する必要性を体感するだろう。ともに成長したい」と述べた。陽明交通大学・寒川講座教授は、「世界最先端の技術がないところだと世界が求める高度人材というのは生まれてこない。台湾にとっても日本にとってもウィンウィンの関係になる」と述べた。


キーワード
九州大学北海道大学東北大学熊本大学インドネシア香港新竹(台湾)雲林県(台湾)新竹サイエンスパーク台湾積体電路製造陽明交通大学雲林科技大学

TVでた蔵 関連記事…

海外からも注目!収穫期迎える 台湾産のコーヒー (午後LIVE ニュースーン 2025/11/25 16:10

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.