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ベネズエラは南米大陸北部に位置する、人口2600万余りの国で南米最大の産油国。アメリカはベネズエラにとって主要な貿易相手国で、原油などを輸出し穀物などを輸入している。アメリカではここ数年国外から持ち込まれた違法薬物が安値で出回り、乱用が社会問題になっている。トランプ政権はそれが麻薬組織の資金源になっているとして対策に力を入れている。ベネズエラの麻薬組織が大量の違法薬物をアメリカに船で密輸しておりこれを阻止すると主張している。米軍はベネズエラ周辺海域に原子力空母や強襲揚陸艦を展開し、今年9月以降麻薬密輸船だとする船への攻撃を繰り返しており、これまでに95人を殺害している。これに加えベネズエラで長年続く半米政権へのいらだちがある。2013年に就任し3期目のマドゥーロは反米左派で、トランプ大統領は先月21日に電話会談をして辞任して出国するよう迫ったとも言われている。トランプ政権は10日にベネズエラの石油タンカーを拿捕、11日にはマドゥーロ大統領の親族などを制裁対象に追加した。アメリカ議会では与党の共和党からも慎重な対応を求める意見が出ている。ロイター通信などが先月アメリカで行った世論調査では、司法手続きを経ず麻薬密輸の容疑者を殺害することに反対する意見が51%に登っている。トランプ政権が公表した国家安全保障戦略では、南北アメリカ大陸を死活的利益のかかった勢力圏としてトランプ版モンロー主義を打ち出している。影響力を強める中国・ロシアを念頭に、他国による干渉を排除する必要がある。
