2025年12月18日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2025 欧州に迫り来るドローン ロシアの思惑は

出演者
辻浩平 藤重博貴 酒井美帆 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像と出演者の挨拶。

ニュースラインナップ

「ドローンの壁」も軍民で対策進める欧州などラインナップを紹介。

(ニュース)
ベネズエラへの圧力強める

アメリカ南方軍はテロ組織による麻薬密輸に関与していたとして3隻の船を攻撃し8人を殺害したと発表した。トランプ政権は中南米の麻薬組織排除のため軍事作戦を行っていて、9月以降米軍が殺害した人数は95人。トランプ大統領はベネズエラの政権は外国テロ組織に指定されたとSNSに投稿し全石油タンカーについてベネズエラへの出入り阻止を命じると明らかにした。ベネズエラの石油による収入に打撃を与える狙いがあるとみられる。

キーワード
カラカス(ベネズエラ)スージー・ワイルズドナルド・ジョン・トランプニコラス・マドゥロパム・ボンディ Xホワイトハウスワシントン(アメリカ)ヴァニティ・フェア
辻’s Angle
ベネズエラ 米の“海上封鎖”影響は

ベネズエラ・マドゥーロ大統領は16日「石油のための流血も石油のための戦争も許さない。麻薬密輸の主張はフェイクニュースでウソだ」と述べた。ベネズエラの輸出の90%は原油。トランプ大統領による封鎖の対象がどの程度広がるかによって影響が変わってくるだろう。先週タンカー1隻が拿捕されて以降、石油を積んだ船舶が拿捕を恐れてベネズエラの海域にとどまっているという報道もあり、様子をみている状況。原油を積み込む予定だったタンカーが目的地を変えたという情報もある。マドゥーロ大統領は「(拿捕について)露骨な盗難で海賊行為だ」と強い言葉で非難している。

ベネズエラの主な原油輸出先の一番多いのは中国、次はアメリカ。アメリカ向けの輸出は制裁対象から外れるとみられる。中国に向けた原油がどれほど影響を及ぼすかなど現時点でくわしいことはわかっていない。アメリカは9月以降カリブ海などで麻薬密輸戦だとする船への攻撃を強化している。攻撃は25回以上で100人近く死亡している。今年8月マドゥーロ大統領の高速などに繋がる情報提供に最大5000万ドル報奨金を出すとしている。アルカイダの主導者だったオサマ・ビンラディン容疑者に対する懸賞金の2倍の額だ。先週原油を積んでいたとされる小型のタンカーを拿捕した。

マドゥーロ大統領は10日「心配しないで幸せでいてください。戦争ではなく平和だ」とアメリカのヒットソングになぞらえて平和を呼びかけた。明るく振る舞っているが内心では警戒を強めているだろう。トランプ政権の圧力は国際法違反と主張し、国際社会の支持を得ようとしている。マドゥーロ大統領は友好関係にあるロシア・プーチン大統領と先週電話会談した。足元の南米のチリ、ボリビアでアメリカのトランプ政権と連携を乱す政権が誕生、マドゥーロ政権には逆風が吹いている。ボリビアではトランプ政権の圧力に加え、国内でインフレが加速しつつある。3期続くマドゥーロ政権では経済の破綻や治安の悪化により700万人以上が国外に逃れたとみられているがさらに経済の混乱が起きれば再び国外に脱出する人の波が起きる可能性も指摘されている。アメリカ国内の反発の声の紹介。民主党議員は「海上封鎖は疑いようのない戦争行為だ」とSNSに投稿、さらに「議会が承認したこともなくアメリカ国民が望んでもいない戦争だ」とした。トランプ政権の狙っているのは、麻薬対策、マドゥーロ政権の排除か、ベネズエラのいう資源、そのほかなのか、答えはまだ見えていない。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
国境から数十キロ 世界遺産ある州でも空爆

タイとカンボジアの軍事衝突による双方の死者は30人以上(民間人含む)、数十万人が避難した。カンボジア政府はおととい国境から数十キロ離れたシェムリアップ州にある避難民キャンプの近くをタイ軍が空爆したと非難。タイ空軍は空爆を認めるも詳細は明かさず、全ての空爆は軍事目標に対するものとしている。空爆された地点の数十キロの距離に世界遺産「アンコールワット」があり、シェムリアップの領事事務所は州内に300人近くの日本人が在住しているという。領事事務所は在留邦人や渡航者に最新の動向への注意を呼びかけている。

WOW!The World
ノートルダム大聖堂 再開から1年

パリ・ノートルダム大聖堂が再開から1年、観光客から大人気。訪問者は今年1100万人になる見込みで、ルーブル、ベルサイユ宮殿を抜いてもっとも多くの人が訪れる。インド・タージ・マハルより多く、中国・北京の故宮博物院には及ばない。ノートルダム大聖堂側はそれほど大きくないのでこれ以上は受け入れられないとしている。

結婚式で特大のサプライズ

英国・スタッフォードでの結婚式での新郎新婦のダンスの曲はコールドプレイのバラード曲。演奏しているのはコールドプレイのボーカルの、クリス・マーティンさんだ。新郎の母がビデオメッセージをお願いした所本人がサプライズでヘリコプターで登場した。

国王から南極にポスト

南極・イギリスのロゼナ基地に郵便ポストが登場。南極地域の郵便局を運営する女性が要望を出した所、チャールズ 国王から届いた。国王のシンボルマークもある。ただ、郵便物はまずフォークランド諸島に運ばれるためイギリスに届くのに少し時間がかかるという。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
相次ぐ “領空侵犯”

ポーランドでは9月にドローン19機の領空侵犯が確認された。撃墜された残骸は住宅に落下し、ロシア軍のものと確認された。先月ルーマニアでもドローンによる領空侵犯を検知。先月25日ルーマニア政府は「ロシアの挑発行為」と断定し、戦闘機が緊急発進した。ロシアのドローンの脅威に対し、EU・フォンデアライエン委員長は「ドローンの壁はヨーロッパ全域における旗艦プロジェクトだ。ロシアは分裂を煽ろうとしており我々は結束を持って応じなければならない」と述べた。

フランス 軍・民間連携の訓練

フランスでも今年9月以降軍の重要施設など近くを飛来するドローンが相次いで確認されている。こうした中、軍・民間の連携が迫られている。危険な化学薬品が多数保管されている、金属表面加工会社の工場の現場で、ドローン侵入を想定した訓練が行われた。セバスチャン・サベル社長はもしドローンに狙われたら甚大な被害がでると考え、訓練を申し出たという。工場には防犯上の理由からすでに高性能な監視カメラ(熱感知で追跡機能がある)を設置している。サベル社長は自信をのぞかせていたが、角度によってはドローンを検知できないとあきらかになった。サベル社長は「(対策の)不備を特定できただけでなく悪意のあるドローンが上空から偵察した場合、全ての監視カメラの位置が特定され簡単に無力化されてしまう可能性があるとわかった」と述べた。フランス軍予備役・ジャン・シャルル氏は「(訓練の)第一の目的は地域の企業に対してドローンが自社に及ぼす影響や危険を示すこと。軍は国際情勢を注視し他国の軍隊や潜在的な敵に後れを取らないよう努めている」と話した。

ロシア軍のドローン分析 対策に生かす

ドイツに拠点をおくアーロニア社はロシア軍のドローン分析を対策に生かしている。手掛けているのはドローン探知システムだ。電波妨害により無力化することもでき、ウクライナの前線にも設備を納入している。ドイツ・ドローン対策企業幹部・ステファン・クラシャンスキー氏は「検知から解読・地図上へのマッピングまでの全工程に要する時間は最大でも3秒~4秒。(ドローンの)検知に必要な全データをほぼリアルタイムで取得できる」と話した。高い技術を支えるのはウクライナの戦場で押収された、ロシア軍の偵察ドローン「オルラン10」 だ。クラシャンスキー氏は「この機体からロシアが使用する無線通信の仕様を学び、長距離にわたるドローン追跡が可能になった」「我々は最前線から入手したロシアのドローンを使って検知能力を高め、ロシアのドローンシステムが戦場でどのように使用されているかを学ぶことに努めている」「今はドローン検知能力が不足しているため欧州のみならず世界中にとって非常に困難な時期だ。どれが観光客などによるか、市民生活を混乱させようとする本物の侵入なのか、よくわからないという不確実性がある。単一のデバイスがたった数秒で軍隊・警察・市民生活を脅かすために転用されうるという歴史上初めての自体が起きている」と話した。

欧州“ドローン危機”迫られる対策

ゲストは防衛省防衛研究所・長谷川雄之主任研究官。欧州の対策と効果について「各国ようやく本腰。ロシアは日々ウクライナの戦場で実践投入し、ドローンの運用能力を高めている。対策は効果はあるが、安価なドローンに対して守る側のコストが高い」という。ロシアの関与について「ドローンは様座な場所で発射でき、特定が難しい場合もある」、挑発行為の狙いは「NATO加盟国の、対領空侵犯措置の手順、国の対応の違いの見極めなど反応をみているのではないか」「ウクライナで損耗しているが、通常の戦力のアセット、戦力爆撃機をたくさん飛ばすのが難しい。低コストで存在感、恐怖感を与える」「NATOはまず第一にロシアに対し考えないといけない。ウクライナの支援が滞る可能性がある。直接欧州諸国にメッセージを送ることでウクライナ支援を続けることの危うさを訴える」と解説した。

NATOに対するメッセージは「欧州の国に対し、ウクライナ支援について逆に自ら危ない、ウクライナにこれ以上近づくなという政治的外交的メッセージの可能性がある」「軍事面で被害は多くはない。恐怖感、心理的側面はあるだろう」と話した。また、ロシア、欧州、アメリカの関係について「第二次トランプ政権発足を受けて国際秩序が根本的に様変わりしている。ロシア外交の新しい傾向として、トランプチームと交渉、ウクライナについてはトランプ大統領との間で口論があったので、欧州を味方につけてトランプ大統領と向かい合う。ロシアからみると、欧州が厄介」「欧州の介入によってウクライナの継戦能力が高くなる。ロシアとしては警戒感がある」と説明した。

皆さんの声 募集中

ドローンについてスタジオトークした。皆さんの声を募集中。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
日本企業がウクライナの農業支援

ウクライナは7割近くが農地で世界有数の農業国だ。ロシアの攻撃による土壌汚染が問題になる中、12月長野市の農業用資機材メーカーはキーウで合弁会社を設立した。土壌の保水性を向上させる効果が見込める装置の販売・設置などを行うという。効果の実証事業などに関わる大学で開催された合弁会社設立を記念する式典にはメーカー社長、ウクライナ政府の関係者などが出席した。農業用資機材メーカー・田中離有社長は「(ウクライナ東部では)地雷もあるしミサイルの残骸の重金属の問題がある」、ウクライナ国立生命環境科学大学・ワディム・トゥカチュク学長は「ウクライナの将来に重要なこと。農家にとって有益なものになるだろう」と話した。復旧、復興を後押ししようと瓦礫の処理や再利用、新しい農業の技術を生かした日本企業の動きが活発になっている。

Human@globe
経済的負担なく医療用ウィッグを

ヘアドネーションを募っているNPO「フロムエンジェル」、フロムエンジェル代表・オーラナット・アチラヤーワットさん51歳の紹介。10年前からがん患者などにウィッグを無償で提供している。看護師の頃、多くのがん患者が髪を失い塞ぎ込む様子を目の当たりにしてきた。ウィッグを必要としている人に届けたいと思ったという。フロムエンジェルのブースには次々と髪の毛の寄付が届く。背景には「タンブン」“徳を積む”文化がある。寄付金も集まり、団体の活動を支えている。タンブンによって髪は集まるが、ウィッグをつくる技術者は不足している。洗浄、消毒など厳しい衛生管理が求められ、髪を縫い付ける技術が必要。生産量は限られ、その分価格が高くなる。そこで、オーラナットさんは刑務所でのウィッグ製作を呼びかけた。受刑者に職業訓練としてウィッグ作りを学んでもらい、完成したウィッグを買い上げ、賃金を支払う。パティマポーン・ガーチャイさんも刑務所で技術を学んだ1人。違法薬物を使った罪で1年服役、出所後オーラナットさんに誘われ、働き始めた。パティマポーン・ガーチャイさんは「病気の人たちのために働くことが出来てありがたく思っている。徳を積んでいる気分」と話す。オーラナットさんは、更生や社会復帰の後押しに繋がると考えている。現在タイ国内2つの刑務所が製造拠点で、民間企業に委託するよりコストを抑えることが出来、安定して生産する体制が整った。これまで10年間で約2万個届けている。自身がステージ2の乳がんに罹患しオーラナットさんは、去年特別なウィッグを手にした。団体の活動にますます意欲が湧いたという。

団体では約100の公立病院と提携しウィッグを届けている。ウィッグでいつも通りの日常を過ごせるようになり、治療に向き合う気力を得たという。オーラナットさんは「ウィッグが患者さんを勇気づけ、本人や家族が喜んでくれることが私たちにとっても何よりの贈り物」と話す。ウィッグは辛い闘病生活を共に乗り越える相棒のような存在という。女性たちの生きる希望を繋いでいる。オーラナットさんは今後はウィッグの提供以外にもがん患者が闘病生活に少しでも前向きになれるようサポートする活動に取り組んでいきたいと話していた。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
失業率4.6% 約4年ぶりの高水準

アメリカの11月の雇用統計によると、農業分野以外の就業者は前月から6万4000人増加し、市場の予想をやや上回った。11月の失業率は4.6%と、9月と比べ、0.2ポイント悪化。約4年ぶりの高水準となり、今年7月以降上昇傾向が続いている。

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