2025年12月17日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2025 内憂外患のイランと威嚇続けるイスラエル

出演者
辻浩平 藤重博貴 酒井美帆 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

ニュースラインナップ

本日の内容を紹介した。

(ニュース)
ゼレンスキー氏 “合意へ進展”

トランプ大統領の側近などと協議を終えた後、記者会見を開いたゼレンスキー大統領。停戦後の安全保障に関して、アメリカとの合意に向けた進展があったと述べた。この後、同じベルリンでドイツやフランス、EUの首脳などが共同声明を発表。有志連合の枠組みでヨーロッパが主導し、アメリカも支援するウクライナ多国籍軍の創設に取り組むことや、アメリカ主導の停戦を監視するメカニズムの導入。またウクライナが紛争を抑止し領土を守るため、平時には80万人規模の兵力を維持できるよう支援するなどとしている。ウクライナへの安全の保証が得られることなどを条件としたヨーロッパとウクライナによる和平案について「容易に同意できる」「難しい選択肢だが全体として受け入れられる」とした人は計72%。ウクライナ公共放送は専門家の意見を伝えている。最も重要な安全保障は強い軍隊を持つこと、将来的にはEUに加盟することという。しかし和平実現への道のりは未だ不透明。アメリカのトランプ大統領は安全の保証の中心的な役割を果たすのはヨーロッパの国々になるという認識を示した。ゼレンスキー大統領は領土の扱いを巡る問題では依然立場の隔たりがあるという認識を示した。ロシアも和平案がロシアの主張を踏まえない内容に修正されないよう牽制。

“大量破壊兵器”に指定

がんなどの治療に使われる医療用の鎮痛剤フェンタニル。ここ数年アメリカ国外から違法に持ち込まれた物が比較的安い値段で出回り、乱用が社会問題となっている。過剰摂取により年間10万人が死亡しているという推計も。この問題についてアメリカ政治や医療政策に詳しい、南山大学の山岸敬和教授に聞いた。若者とか働き盛りの世代の命が奪われることが特徴的。第2次世界大戦で亡くなったアメリカ人の数、民間人も兵士も入れた数をすでに上回っているという。トランプ大統領は違法なフェンタニルを大量破壊兵器に指定する大統領令に署名。国境地帯などの治安を悪化させ、アメリカの安全保障を脅かしていると共に、麻薬組織や外国テロ組織の資金源になっていると主張。その対策には軍も投入できるとしている。カリブ海などで麻薬密輸船だとする船舶への攻撃を重ねるなど、対立するベネズエラの圧力を強めるトランプ政権。アメリカメディアはこうした軍事作戦の正当性を訴える狙いもあると伝えている。

辻’s Angle
アメリカ EV市場の見通しは

自動車大手フォードが電気自動車事業の縮小や見直しを打ち出した。掛かる費用と損失は計195億ドル(3兆円)。象徴となったのがF150ライトニング。この電気自動車の生産から撤退するとフォードは発表。F-150のガソリン車はアメリカで最も人気のある車の1つ。F150ライトニングは電気自動車版。4年前に発表した際には当時のバイデン大統領がパフォーマンスを行った。当面はガソリン車やハイブリッド車の生産を強化する方針。EV市場の動きを象徴するものとして大きなニュースとして受け止められた。ウォール・ストリート・ジャーナルは「アメリカの自動車業界が野心的なEV構想をすぐには実現できないことを示すものだ」と伝えた。ニューヨークから中継、アメリカ総局の新井俊毅に聞いた。フォードやGMなどの自動車大手はバイデン政権の下でEV転換を進めてきたが、トランプ政権になってから戦略の大幅な見直しを迫られている。背景にあるのは税制優遇が今年9月に廃止されたこと。新車の燃費基準が大幅に緩和される方針が示された。アメリカはSUVやピックアップトラックといった大型の車が人気だが、EVの需要が大きくなかったというのもメーカーにとって誤算だったという。ゼネラルモーターズも16億ドル(約2400億円)の損失と追加費用を計上。メルセデス・グループもアメリカでのEV販売を停止。自動車販売台数に占めるEVの割合見通しが下方修正されている。各メーカーともEVの市場自体は伸びるという見通しは変えていない。中国でも先行きには不透明感が強まっている。世界の販売台数の見通し、販売台数は順調に伸びていくと見られている。中国が圧倒的に多い、次にヨーロッパ、アメリカの市場は3番目。

皆さんの声 募集中

EVシフトはどのくらいのスピードで進むのか、政策による誘導はどこまで必要なのか。QRコードで皆さんの声を募集している。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
高まる緊張に揺れる島

カリブ海に浮かぶキュラソー島、ベネズエラから65kmほど北にあり、日本の種子島くらいの大きさの島に15万人が暮らしている。オランダ領だが島内にはアメリカ軍の拠点もある。街の中心部の歴史地区は世界遺産に登録されている。今年のノーベル平和賞を受賞したベネズエラの野党指導者マチャド氏はノルウェーに向かう際にこの島を経由したと報じられた。島で唯一の空港は軍民共用でオランダの同盟国であるアメリカは、ここを拠点に麻薬密輸への関与の疑いがあるとする航空機や船舶の監視活動を行っている。オランダ政府はアメリカ軍によるベネズエラ船への攻撃について関与していないと強調。今月8日、さらなる緊張の高まりに備えるとして周辺海域に軍艦を派遣したと発表。NHKの取材班は周辺海域で、この軍艦が警戒にあたっている様子を確認。こうした事態に地元の漁師たちは不安を隠せない。漁師たちは今、領海外での操業を控えるよう所属団体から勧告されていて、ベネズエラに近づかないよう注意しているという。今後、情勢が悪化すれば収入が途絶えると訴える。キュラソー島は食料自給率が低く、ベネズエラからの安価な農作物が生活を支えている。その農作物が情勢しだいでは手に入らなくなると危惧する声も。さらに懸念されているのが島最大の産業でGDPの約半分を占める観光業への影響。ヨーロッパとアフリカの文化が融合したカラフルな建物が立ち並ぶ歴史地区。欧米からの観光客に人気。

WOW!The World
ルーブル美術館 ストライキで休館

15日、フランスのルーブル美術館で職員らがストライキに突入。10月に宝石類が盗まれる事件が発生。11月には天井崩落のおそれがあるとして一部の展示室を閉鎖。さらに水漏れが発生して書籍が損傷。組合は建物の老朽化や受付と警備の人員不足解消を訴えている。労働組合員は、ルーブルは放置されてきたなどとコメント。組合側は17日にストライキ継続の是非を決める。

イギリス チャールズ国王“がん早期発見は重要”

イギリスのチャールズ国王が、がんの早期発見の重要性を強調。去年2月、がんと診断されたことを公表し、治療を続けてきたチャールズ国王は、がん撲滅の慈善活動のために公開されたビデオメッセージで、来年は私のがん治療が軽減されるなどと語った。早期診断や医師の指示に従ったことによるものだとしている。

中国 巨大雪だるま登場

中国の黒竜江省ハルビンに、高さ24mほどの大きな雪だるま、ミスタースノーマンが出現。

市庁舎がアドベントカレンダーに

ドイツ南西部の町ゲンゲンバッハでは市庁舎がアドベントカレンダーに様変わり。クリスマスに向け、毎晩24ある窓のどこかにライトが当たり、一つずつ絵が現れる。世界最大規模だというアドベントカレンダーを見た後は、クリスマスマーケットを楽しむこともできる。

イギリス ニコライ2世の“卵”高額落札

1913年にロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世が母親への復活祭の贈り物として注文したウィンターエッグが、イギリスのロンドンで行われたオークションにおいて47億円以上で落札。ロシア皇帝一族の御用達として名を馳せたファベルジェ工房の傑作。4500個のダイヤモンドが散りばめられ、内部には春の訪れを象徴する花のバスケット。ファベルジェの作品として過去最高額での落札。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
軍事衝突から半年 市民は

イスラエルとイランの軍事衝突から半年、両国の市民は今の状況をどう見ているのか。今年6月、イランの核の脅威を取り除くためと主張してイスラエルが攻撃を開始。両国が初めて直接交戦し、12日間戦争とも呼ばれた。イスラエルで32人、イランでは1,000人以上が死亡。アメリカもイランの核施設を空爆。9月にはイランが核合意に違反したとして国連の制裁が再び発動されるなど、さらに孤立する事態になっている。こうした中でもイランは核開発を続ける姿勢を崩していない。イスラエル国内ではイランの脅威は依然として残っているという世論が根強い。

イスラエルで人口密集地に被害が出たことは大きな衝撃だった。テルアビブに住むエレズベガカドシュは住んでいた住宅がミサイル被害にあい、防護室に避難。自宅はすべて破壊されていたなどとコメント。イランの脅威が完全になくなったわけではないと今も警戒心を抱いている。今もイランの脅威は最優先課題の一つ。今月開かれた防衛装備品などの展示会では、迎撃ミサイルやアイアンビームの模型などを展示。イスラエルの世論調査では、6割以上がイランとの軍事衝突が近い将来に再び起きると懸念。イスラエルで防空システムを手がける企業の代表は、敵の大胆さは将来の戦争のルールを変えることになるなどとコメント。イスラエル国防省幹部のアミールバラムは、防衛能力を強化しているなどと述べた。一方、イラン最高指導者ハメネイ師はミサイルの能力を誇示し、イスラエルやアメリカを牽制。必要があれば次の機会にまたミサイルを使うだろうなどと述べた。しかし軍事衝突や国連の制裁が再び発動され、通貨安が進んだことなどからイランでは物価が上昇。先月のインフレ率は前年同期比40パーセント余。テヘランで警備員として働くサッタルキャドホダイは、政府にはインフレを止めて物価を下げてほしいなどとコメント。外交交渉によって衝突を避けてほしいと話している。破壊されたビルで美容サロンを経営していたアレズラフマニは、友人などから借金をして離れた場所で営業を再開。被害を当局に補償してほしいなどとコメント。

軍事衝突から半年 市民は LIVE エルサレム

エルサレムからの中継で、エルサレム支局の田村祐輔が解説。イスラエルが今すぐにイランを攻撃する兆候はないものの、再び軍事衝突が起きるのは時間の問題だなどとアメリカやイスラエルのメディアは報じている。イスラエル国内でもイランが核やミサイルの開発をやめない限り、攻撃はやむを得ないと考える人は少なくない。イスラエル国家安全保障研究所のシトリノウィッツ上席研究員は、イランがミサイル開発と濃縮活動を再開すればイスラエルがイラン再攻撃を検討する土台になると想定できるだろうなどとコメント。再び攻撃をすればイスラエル側にも被害が出ることが予想されるだけに、最終的には何らかの合意が必要とも話していた。

軍事衝突から半年 市民は LIVE テヘラン

テヘランからの中継で、テヘラン支局長の川島進之介が解説。イランは外国からの圧力に屈するような形で核やミサイルの開発をやめることはできない。核開発は国の威信をかけて取り組んできたプロジェクトで、ミサイルはイスラエルへの反撃手段であるため。生活が厳しい市民から不満の声も出る中、経済を改善するにはアメリカによる経済制裁解除が不可欠。ただアメリカがウラン濃縮の完全放棄を求めていることに、イランは強く反発。イラン外務省元高官のジャラルサダティアンは、仲介国として十分な影響力を持つ国が出てくれば対話できるだろうなどとコメント。仲介国としてオマーンなど複数の国が取り沙汰されているが、具体的な動きはない。

(ニュース)
銃撃事件めぐり政府の対応に批判も

オーストラリアのビーチで起きた銃撃事件で、現地ではこれまでの政府の対応への批判も出ている。おとといシドニー郊外のビーチで2人が銃を乱射。容疑者1人を含む16人が死亡し、40人以上がけがをした。オーストラリアのアルバニージー首相は、反ユダヤ主義の恐ろしい行為でテロだなどとコメント。反ユダヤ主義的な犯罪の根絶に取り組むと強調。オーストラリアでは、おととしガザ地区での戦闘開始以降、ユダヤ系住民が暮らす地域で放火などの事件が相次いでいる。ユダヤ系の住民は、政府が守ってくれないことに怒りを感じているなどとコメント。オーストラリアABCなど複数のメディアはテロ対策関係者などの話として、容疑者の親子2人はフィリピン南部で戦闘訓練を受けていたと報じている。

「スタンド・バイ・ミー」監督殺害事件 息子逮捕

映画「スタンド・バイ・ミー」のロブライナー監督が自宅で、妻とともに殺害された事件で、警察は32歳の息子を殺人の疑いで逮捕。見つかった2人の遺体について警察は、死亡したのは監督とその妻と確認したと発表。複数の地元メディアは、2人の遺体には刺されたあとがあると伝えた。ライナー監督は人気映画を手がけたほか、俳優としてエミー賞を2回受賞。

特殊詐欺に関与疑いで日本人16人拘束

カンボジア南部で今月、日本人16人が特殊詐欺に関わった疑いがあるとして、現地当局に拘束されたことが日本大使館への取材でわかった。プノンペンの日本大使館によると、今月11日にシアヌークビルの詐欺拠点で日本人16人が拘束されたと現地当局から連絡があった。大使館では情報確認を進めるとともに、当局と連携して対応していくとしている。東南アジアではミャンマーやマレーシアなどの詐欺グループの拠点でも日本人が特殊詐欺に関わったとして拘束されるケースが相次いでいる。

“ロシア潜水艦を爆破 航行不能に”

ウクライナ保安庁は15日、潜水型の無人艇を使った初めての攻撃で、ロシア海軍のキロ級と呼ばれる潜水艦を爆破して重大な損傷を与え、航行不能にしたと発表。この潜水艦にはウクライナへの攻撃に使用している巡航ミサイルの発射装置4基が搭載されていた。ウクライナ保安庁は同型の潜水艦の建造費は最大で5億ドルかかるとしていて、ロシア側にとって大きな損失だと強調。一方、ロシア国防省はSNSで、ウクライナ側によって拡散された情報は事実と異なるとして反論。艦艇や潜水艦、乗組員は一切被害を受けていないとしている。

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