日本中の人々に愛された上野動物園の双子パンダ、シャオシャオとレイレイ。火曜日に中国に返還され、日本国内のパンダは54年ぶりにゼロとなった。去年11月、台湾有事をめぐって「存立危機事態になり得る」とした高市総理の発言以来、日中関係は冷え込んだままになっている。日本側は新たなパンダの貸与を中国側に求めているが、中国メディアは「貸し出しへの意欲はなく、対話が進展する可能性は低い」と伝えている。そうした中で、ヨーロッパ各国はこれまでの対中姿勢を転じつつある。木曜日にイギリスのスターマー首相が北京を訪れ、去年12月にはフランスのマクロン大統領も訪中した。またドイツのメルツ首相は、今月訪中する予定。各国が中国に接近する背景には、今や国際法を意に介さず好き放題を繰り返すアメリカへの危機感があった。カナダのカーニー首相も先月訪中し、その後訪れたダボス会議でアメリカを念頭に世界のリーダーたちにこう呼びかけた。「大国の競争が激化する時代に生きていることを、日々思い知らされている。“ルールに基づく秩序”は衰えつつあり、『強者はしたいことをし、弱者はそれを耐え忍ぶ』という論理に直面し、各国は波風を立てず同調する傾向が強くなっている。迎合しトラブルを避け、従順であることによって安全を買おうとしている。それでは駄目だ」。この1年国際ルールを無視したトランプ氏の振る舞いに、多くの国が顔色を伺うかのような対応を繰り返してきた。それをカーニー氏は辛辣に批判し、改めてルールの重要性を語った。しかし「これまでの秩序は戻ってこない」として、大国ではない中堅国(ミドルパワー)が果たす役割と連携を訴えた。慶応大学の添谷芳秀名誉教授は「これは決意表明であって、明確にできるという自信に裏付けされたものではない。戦後の『ルールに基づく自由で開かれた国際秩序』はもうなく、ルールや価値に基づく各国間協力をもう一度制度化していく中長期的なビジョンを持つことが、ミドルパワー連携には大事ではないか」などと語った。
