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今後のアメリカ経済、株式相場の見通しについて、三井住友銀行NYの坂本篤秀が解説する。アメリカによるイラン攻撃の影響が本格化する前、「財・生産セクターの雇用者数」を見ると雇用者数は増加傾向にあった(米労働省)。坂本は「第1にはデータセンター及びAIインフラ投資が活発であること、トランプ減税によって設備投資のインセンティブが拡充されていること、トランプ関税発動後に減少した企業在庫の積み増しや、ウクライナに供与したことで在庫が減少した軍事品の増産といった複数の影響が想定される。今後のアメリカ経済を考えるうえでは、原油高が景気の加速モメンタムを潰してしまうのかどうかに着目して分析することが重要」などと語った。
アメリカのGDPに対して消費されているエネルギー量の割合の推移(EIA 米商務省経済分析局)について、坂本は「経済成長に必要なエネルギー量であり、これが下がれば原油高による影響も小さくなるということになる。1973年と比較すると2025年は約3分の1以下となっており、技術革新や産業構造そのものの変化によってアメリカ経済のエネルギー効率が絶えず改善を続けてきたことが理由にある」などと語った。
主要各国の個人消費額に占めるエネルギー関連費用の割合(OECD)について、坂本は「これらの国の中ではアメリカ国内でのエネルギー価格が他国対比で割安なことや、税率の低さによってアメリカは低い方に位置している。ガソリン価格の上昇などはニュースになりやすいが、想定的に見ると個人消費全体を縮小させるほどのことではない」などと語った。
食品とエネルギーを除いたアメリカのコアPCE物価指数の推移(米商務省)について、坂本は「2025年終盤頃からインフレ率が加速し始めている。経済成長加速に伴うインフレで、原油高の影響がなかったとしてもインフレ再燃のリスクはすでに高まっていた。これはむしろ原油高に伴うインフレよりもさらに警戒すべきもの」などと語った。
アメリカの政策金利の推移について、坂本は「FRBは多少の利上げをすべき。しかしこれまで利下げをしてきた中で、利上げに方向転換する意思決定を下すハードルは高い。結果的にFRBは政策金利を据え置くことがせいぜいになるのではないか。原油高でも経済が底堅いのは株価にはポジティブだが、インフレ懸念において仮にFRBが利上げするとなればネガティブ。しかし利上げすべき状況であるのにしないとなると、実質金利を下げることになる。実質金利を下げるとインフレリスクを高めるが、株価には短期的にはプラスに働く。2026年末時点でのS&P500の見通しは7500」などと語った。
