因縁の対決から見えるAI普及の危うさ

2024年11月21日放送 6:36 - 6:43 テレビ東京
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日本経済新聞・村山恵一氏の解説。きょうの注目記事は16日の日経電子版「マスク氏、マイクロソフトも提訴。OpenAIと生成AIを独占」の記事。米国の起業家・イーロンマスク氏がチャットGPTの開発元である米国のオープンAIを訴えた裁判について。同社の主要出資者であるマイクロソフトを被告に加えたことが明らかになった。執拗とも思えるマスク氏の動きの背景にはオープンAIのCEOサム・アルトマン氏との複雑な関係がある。元々オープンAIは2015年に非営利の研究組織として発足。人類の利益のための安全性とオープン性を大事にするというアルトマン氏の訴えに賛同し共同創業者に名を連ね資金の出し手にもなったのがマスク氏。しかしAI開発には極めて巨額の資金が必要だとわかるとオープンAIはアルトマン氏のリーダーシップの下で営利企業への一歩を踏み出す。新たな経営体制についてアルトマン氏とマスク氏の意見が食い違いマスク氏は2018年にオープンAIを飛び出す。その翌年オープンAIは非営利組織のもとに営利組織を設けスポンサーとしてマイクロソフトを迎え入れる。一方のマスク氏も2023年にAI会社のXAIを自ら設立。
オープンAIのアルトマンCEOは去年日本にきて支援を訴えた。その後解任騒動があった。オープンAIは影響力のある企業となったがその力を制御するガバナンスは危うさがある。アルトマン氏がCEOを解任されて数日で復帰が決まった。アルトマン氏はリーダーとして不適格と理事会が判断。多くの従業員はアルトマン氏を支持し、アルトマン体制が続くこととなった。安全で規律あるAI開発を求める幹部らの退社が相次いでいるため経営の先行きには不透明感がある。オープンAIは2年以内に営利組織に移行するとの観測がある。大きな方向転換になる。マスク氏は次期トランプ政権に参加する見通しが伝えられている。村山氏は「マスク氏はAIが社会に与えるマイナスの効果に警鐘を鳴らしてきている。マスク氏はテスラとオープンAIの合併や自身による全権掌握を求めた。実現はしていなくマスク氏がオープンAIを批判する立場に転じる背景になった可能性も。安全性への配慮が十分かどうかは人々の評価が分かれる。マスク氏は米国大統領選挙で当選を決めたトランプ氏と極めて近い関係にある。新政権では政府効率化省のトップに指名。官僚主義の打破などが期待される一方で規制緩和でAIの倫理や透明性の確保が弱まる可能性がある。皆が安全で納得できるAI社会、AI経済を呼び寄せることが出来るのか」などと話した。


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