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旭川市が運営する旭山動物園で15年近く園長を務めてきた坂東元さんが先月末退任した。旭川市出身で獣医師の坂東さんは1986年飼育員として働き始めた。当時の動物園はレジャー多様化で入園者は減少しエキノコックスの感染で人気のゴリラが死んだ影響もあり1996年には入園者数が過去最低となり閉園の危機に追い込まれた。坂東さんは動物の魅力を伝えられないつまらない施設だったとした。坂東さんが考案したのが野生に近い状態で本来の姿を見せる行動展示である。自分が感動を覚える動物の魅力をありのまま伝えたいという願いから生まれた。坂東さんは動物たちの習性を引き出そうとみずから施設をデザインし2004年にオープンしたあざらし館では円柱型の水槽を設けた。この年、入園者数は100万人を突破し全国区の人気観光地になった。
坂東さんは今月、統括園長に就任し行動展示のノウハウを継承している。あわせて、環境保全の活動に注力している。野生動物の現状も伝え、環境問題に関心を持ってもらいたいとしている。えぞひぐま館に知床に生息するヒグマの現状や環境保全を伝える展示を設けた。動物が生きる環境を考えふだんの行動を省みてもらうことが動物園の役割だとした。