NHK地域局発 奈良を”音楽の都”へ ピアニスト・反田恭平
奈良を歩く反田さん。市内の小学校を訪れた。奈良で定期的にコンサートを行っている。200人の観客が集まった。ショパンの名曲を演奏。奈良を音楽の都にしたいと観客たちに語った。それは夢と関わっているという。小学生の頃からショパンコンクールにあこがれてきた。全身全霊をかけたが結果は2位だった。世界に通じつ音楽の学びやをつくりたいと考えた。かなり頑張っても2位だったという。1位が出るような場をつくりたいとのこと。752年盧遮那仏が完成。その際、音楽が奉納された。シルクロードを通じて多くの楽士が訪れ音楽が奏でられたという。大仏殿の正面には八角燈籠。音声菩薩が刻まれている。ジャパン・ナショナル・オーケストラでの活動をしている。世界で活躍する若手実力者が集まった。日本のクラシック音楽を発信し続けている。次世代の音楽家の育成に取り組んでいる。バイオリニストの岡本さんが子どもたちを訪ねた。的確なアドバイスを高校生に送った。反田さんの思いに自治体の人たちが共鳴。奈良県庁の文化振興課の服部さんは、ユニークな企画を行っている。幼児や赤ちゃんも大歓迎の演奏会。TシャツやGパンでの演奏者たち。入場料は無料にした。奈良で活動をはじめて2年。反田さんはこの日赤とんぼを演奏。奈良でのコンサートやレッスンは30回を超えた。
反田さんが率いるオーケストラのもとに、東大寺の大仏さまの前で演奏してほしいという依頼が飛び込んできた。1200年を超えて音楽と深く結びついてきた東大寺。反田さんは、その歴史を受け止めながら演奏に臨みたいと考えていた。東大寺での演奏まで1週間、リハーサルで指揮棒を振る反田さんの姿があった。今回、指揮者としてクラシック音楽の魅力を最大限引き出す演奏をしたいと考えた反田さん。選んだのは、ブラームス作曲「交響曲第1番 ハ短調 作品68」。暗から明へと構成され、人間が抱くあらゆる感情が描かれた、クラシック音楽の傑作だ。反田さんは、自分がイメージしている音を言葉にしながら伝えていく。曲の途中、テンポを緩めるか迷った反田さん。自分の考えに固執せず、メンバーたちと一緒に曲を作り上げようとしていた。演奏前日、東大寺で反田さんは自分は雨男だと話した。
2023年10月14日演奏当日、「東大寺開山 良弁僧正1250年御遠忌法要」。最初に、自らの運命を変えた曲「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」をささげた。「交響曲第1番 ハ短調 作品68」を演奏した。反田さんは「クラシックは伝統なので、技術や才能をなるべく1人でも多くの子たちを残していきたいという思いが強くある。世界で活躍するようなアーティストになってほしい。そのときに僕の願いは達成される」という。