そこにはいつもキミがいた! (そこにはいつもキミがいた!)
昭和34年、キリンの引っ越しの様子。リニューアルされた広い家へ移動するのだが、首が長いので電線に引っかかりそうになり、竹竿で押し上げくぐっていった。キリンの負担にならないよう、約1.5kmの道のりを5時間かけて慎重に運んだ。
続いては、昭和62年愛媛県立道後動物園の引っ越し。この年、周辺の都市化に伴い道後動物園は閉園。新しく作られた「とべ動物園」へ向けて動物たちの引っ越し大作戦が始まる。その数112種520匹、引っ越し期間は3日のみ。事情をわかってくれない動物たちに飼育員は悪戦苦闘。水鳥を追って池に飛び込んだり、サルを目掛けて網を振るったり、動物たちには絶対ケガをさせてはいけないため、細い足や翼が骨折しやすいフラミンゴにはストッキングを使って保護していた。警戒心の強いクマを呼び寄せる秘策は、好物のカステラ。8m以上もジャンプするカンガルーは、4人がかりで抑え込んでようやく確保していた。街の人たちに見送られながら、12km先の新天地へ出発した。引っ越しを終えた動物たちは、新居でのびのび過ごしている。