報道ステーション (ニュース)
小澤征爾さんが残したもの。小澤征爾さんが指揮者の道を歩み始めたのは高校2年生。師事したのは、当時桐朋学園で音楽を教えていた齋藤秀雄さん。小澤征爾さん(当時56)は「我々の演奏する気持ち、母体は斎藤先生に10代で教わったことの再確認をしながら演奏すると世界でも通用するんだと」などと説明していた。小澤さんが始めたのがサイトウ・キネン・オーケストラ。小澤さんから指導を受け、コンサートマスターも務めてきた豊嶋泰嗣さんは「斎藤を先生が西洋音楽の基礎を学生の内に徹底的に叩き込んで」「基礎があればいい伝統だけを取り入れて、ドイツ人がフランスの演奏するよりも日本人がやったほうが近いところに行けるんじゃないかという考えのもと、斎藤先生がみんなに教えた基礎、それを持ってみんな外国に散らばってそこで結果を出し、今度その人達が日本に戻ってきて、それがサイトウ・キネン・オーケストラの始まり」だと説明していた。指導の厳しさは有名だった。このオーケストラを引き連れ世界中で演奏し、また後進の育成に尽力してきた。
報道ステーションにも生出演をしていただいたことがある。このとき68歳。ノーカットで演奏を放送した。ただ、この6年後、食道がんが見つかってしまう。手術を含め、休養期間が長期に及んだが、2013年指揮台に戻ってきた。小澤征爾音楽塾オーケストラで演奏した。近年は車椅子に乗りながらも指揮者としてタクトを振り続けていた。豊嶋泰嗣さんは、西洋音楽がまだいまほど日本に根付いていない時代ですので、クラシック音楽の基礎を叩き込むエネルギーはすごく大変なものがあったんだと想像します、そういうエネルギーを全部小澤さんたちの世代が享受して、我々の盛大またその下の世代があるんだろうなと思う、と話していた。