知られざるガリバー〜エクセレントカンパニーファイル〜 (知られざるガリバー)
ミズノのワークウェアにはダイナモーションフィットというスポーツの動きを3D解析などで検証し運動時の動きやすさを求めた設計手法が使われている。随所に立体裁断を施した他、ストレッチ素材を使うなどスポーツウェアのノウハウが活かされている。他にもビジネスシューズ、医療用白衣など様々なワーキング用品を開発・販売している。少子化が進む現代において、働く人のための商品にスポーツの知見や開発手法を取り入れる事業戦略が功を奏して2023年度に過去最高となる売上を記録した。業績が好調な中で、ミズノは2022年に約50億円をかけて研究開発施設「MIZUNO ENGINE」を建設。マーカーレス動作解析システムという最新技術は複数台のカメラより得たビデオデータを基にAIが学習したアルゴリズムを用いて解析する。より動きやすいウェアなど新たな製品開発に応用される。光学式動作解析システムは動作と合わせ身体にかかる力を細かく分析してシューズの開発にいかすという。施設内では計測するだけでなく、その場で試作もできるという。
1906年、水野利八は弟とともに「水野兄弟商会」を創業。雑貨の他、スポーツ用品などの販売を始めた。その原点とも言えるスポーツが野球だ。1913年、自らデザインした野球グラブの製品・販売を開始。その際、道具を買ってもらうには野球の面白さを広めるのが一番だと、同じ年に関西学生連合野球大会を開催。これが後に高校野球夏の甲子園大会につながっていく。ところが、その黎明期はボールひとつとってもメーカーによって性能がまちまちだった。